平成24年度 指導者研究会 【Aグループ】

指導者研究会 Aグループ 研究報告

主題 「今を育つ子どもの環境を考える」

(はじめに)

Aグループでは平成23年度から子どもをとりまく環境について考えてきました。例えば、外あそびの減少による体力の低下や睡眠時間の減少、テレビゲームが脳や姿勢に与える影響、低体温、食生活と虫歯の関係、子育てに関する情報のとり方の変化など、それぞれで課題を見つけ自己研究をおこないました。

そして、平成25年度は「子どもの虫歯から見えてくるもの」をテーマにより具体的なデータを集めて研究を進めていくことになりました。近年、歯科検診の折に欠損歯(生まれつき生えていない歯がある)や叢生(歯ががたがたに生えている)、過蓋咬合などのかみあわせの異常がみられるなど気がかりな検査結果が増えているように感じられます。これは子どもの顎が小さくなってきている為なのか、食べ物が影響しているのだろうか検証してみることになりました。また同時に、子どもの虫歯や噛みあわせの異常からくる姿勢のゆがみはないだろうか、踏ん張る際の筋力に影響はないだろうかと着目しました。

そこで「姿勢、筋力、食生活」のグループに分かれ、それぞれのグループで具体的に実測や調査をおこない、子どもの虫歯との関連性について研究を深めることになりました。
手探りで始まり右往左往した研究内容ではありますが、平成24年度の第1回から第6回までの歩みと共に報告をさせていただきます。

第1回 指導者研究会 Aグループ

内  容: 子どもに虫歯について、今後の方向
日  時: 平成24年4月25日(水)
場  所:  
報告者: 御室幼稚園 近藤 由佳子

●前年度の話し合いのまとめ

一人づつ調べてまとめるより、グループで調べていく方が幅や考えが広がる

虫歯→集計が取りやすい
→数として見えてきてわかりやすい
→各園で調べやすい
→毎年、歯科検診を各園で行っている為、手元に個人のデータがある
→各年齢、20人ずつのデータを取る
→最終的に虫歯が多い子どもから何かが見えてくるのではないだろうか

●今回の話し合い

一人では不安・・・情報を伝え合うことによって共感性を持てる。

園の子どもの歯・・・みんなが以前調べてみたいと考えた項目(2~3個)の内容につなげていくことで虫歯にリンクするのか

☆虫歯を調べて気になること

・もともと歯がないセンケツ ⇒ 年々増加している
・あごが発達していない   ⇒食生活が変化している事も考えられる

進化しているのか退化しているのか・・・ (いらないとみなしている)

☆虫歯と何をリンクさせていくか

・園で出来る範囲、そして遊びの中で出来ること

→筋肉の発達・姿勢・運動嫌い・前歯に虫歯が何故多い?

筋肉・・・ぶら下がり、バランスをどう遊びの中に組み込んでいくか

姿勢・・・座り方(正座・イス)
読み聞かせ中の座り方
きょうつけをしてどれだけ立っていられるか

飲み方・・・ペットボトル・ストロー・コップどれで飲み物飲むか

上記の項目を今後どのように遊びながら調査方法をペアーの先生と考案し
次回の研修で案を出し合い話し合っていく。

第2回 指導者研究会 Aグループ

内  容: こどもの虫歯のデータをふまえ、姿勢、筋力、食べ物の好き嫌いについて
     調査するための方法を各グループで検討する。
日  時: 平成24年6月13日(水)
場  所: 京都市子育て支援センターこどもみらい館4F 第1研究室
報告者: 夢窓幼稚園 中井由美子

●提出された虫歯のデータ(4カ園分)から、見えてくるもの

・虫歯のある・ないには個人差がある  非常に多いor まったく無い
・下の歯に多いかと思えば、意外に上の歯にも多い
・上の前歯(中央)に虫歯が多い

さらに2カ園分のデータも加えていく。

●3つの課題(姿勢・筋力・食べ物の好き嫌い)のグループごとに虫歯との連携をどう捉えるか

①食べ物の好き嫌い

いくつかの選択制にして子どもに好きな食べ物などをたずねる

  ・主食(米・パン・麺類)
  ・おかず(肉類・魚類・野菜類)
   *やわらかいものと歯ごたえのあるものとに分けてみる
  ・飲み物(お茶・ジュース)
  ・飲み方(ペットボトル・コップ)
  ・おやつ(チョコレート・おせんべい)

②筋力

筋力については虫歯との関連がつけにくい
特に子どもの場合、経験値によって違いが生じたり、やる気や観られるはずかしさなどの心の問題が影響したりする場合がある
体形によっても左右される
 *目に見て分かるように ~㎝ や~秒など測定できるような項目にする
 *例えば1回目の測定後、3か月経って2回目の測定をするなど、経験値もクリアできるようにするのはどうか?

以上を踏まえ、以下の点について測定する
  ・ジャンプの高さ (大・中・小)
  ・鉄棒ぶら下がりの長さ(大・中・小)

③姿勢

運動をしながらというより、静止した状態で計測する方法でおこなう
簡易の計測板のようなものをつくり、一緒に写真にとって計測する
今後の調査内容の変更に対応できるように(誤差だけでなく左右への影響など)
  ・肩の左右の高さの誤差(大・中・小)
  ・寝転んで脚の左右の長さの誤差(大・中・小)
  
①、②共に数値の大・中・小の基準値は暫定的に決め、今後、測定結果と照らし合わせ検討する

●次回までにすること

①~③それぞれのグループで決めた調査項目を各園の年長児で実施し、虫歯データに加えとりまとめる
さらに実施したうえでの問題点、課題などを意見交換できるようにまとめておく

第3回 指導者研究会 Aグループ

内  容: 今を育つ子どもの環境を考える
日  時: 平成24年7月14日(水)
場  所:  
報告者: 明幼稚園 古川 愛

●前回に引き続き、各園園児の虫歯の集計を完成させる。

あわせて、園児の姿勢・筋力・食べ物の嗜好を調査し、データ化を行う。
             ↓
各園で出たデータを見て、感じたことなどを話し合う。

  姿勢について…調査方法は、壁にビニールテープを貼って、その前に立つ。
         肩の歪みを見るが、子供の体に触ると直ることもあり、結果は
         微妙である。

  筋力について…項目は、ジャンプと鉄棒のぶら下がり。
         鉄棒は、初めに計った子が60秒できていたので、他の子も
         60秒を目指して頑張っていた。計測するときの環境が大きく
         影響していた。

  食べ物の嗜好について…普段食べている物を質問したが、好きな食べ物を答えていたように感じる。
             飲物を、ペットボトルで飲む子が多い
             500ml飲んでいるのは、問題ではないか

 * 結果、どの項目も虫歯との関連性は、あまり感じなかった
  子供の場合、就寝時に寝返りをうつ事で、一日の体の歪みを取り戻している。
  大人は、生活の中で段々と体が歪んできている。
  子供と大人との差は?

●次回に向けて

   公的なデータを調べてみる
   実際に食べている物を把握するため、食べ物の嗜好のアンケートを実施する
   (アンケートは慧日幼稚園の杉井先生に作って頂いたものを各園で配布)

「アンケートご協力のお願い」

2012_01_questionnaire

【資料データのダウンロード】
保護者へのアンケート(好み)…….[PDF ファイル 115KB(2012_01_questionnaire.pdf)]

第4回 指導者研究会 Aグループ

内  容: 「今を育つ子どもの環境を考える」
      5歳児対象「歯に関するデータ」を読み取り、
      ① 歯と食べ物・飲み物 ②歯と筋力 ③歯と姿勢について、関係性を話し合います。
日  時: 平成24年9月12日(水)
場  所: こどもみらい館
報告者: いずみ幼稚園 沓水 京子

●アンケートを各園とった中で、虫歯との因果関係が読み取れるか。

・%では答えにくいとの意見が出たため、○で答えてもらうようにした園がある。
・子どもたちに自由に選ばせるとの項目は、本当に子どもたちが実際のことを答えているのか希望的観測で答えているのかがわかる。
・しかし、アンケートでは読み取ることが難しい。

● 今までの資料を元に何が読み取れるか。

・姿勢・動作は、幼児期にとっては何度もすることでできるようになったり、真似をしてできるようになったりするため、歯との関係性はあまり見受けられない。
もう少し大きくなるにつれて関係性は出てくる可能性はある。
・前歯に虫歯が多いのは、骨格が小さくなってきて、その分歯がつまって生え、その歯にものがはさまって虫歯になりやすいのかもしれない。

●もっと大きな子どもも資料を調べることで、出てきたデータを元にこの先子どもにどう伝えていくか、保護者にどう伝えていくかを考えていく。

そのとっかかりの質問をして、

 ■口の中にずっとあるおやつ・・・例 あめ ガム キャラメル…
 ■口の中ですぐなくなるおやつ・・・例 チョコレート ゼリー せんべい…
 ■お茶と一緒に食べるおやつ・・・例 おまんじゅう…

こんな風なデータの取り方をすれば、より具体的でよかったかもしれない。
※学校歯科医師会のHPをのぞいて見てもいいかもしれない。

 幼児期の段階ではわかりにくいことも、大きくなると虫歯の原因や虫歯によって引き起こすこともわかるのではないか。
それを今の幼児期に伝え、予防できればいいと考える。

 又、先欠はなぜ起こるのか、いつぐらいから先欠の子どもたちが増えだしたのか、
甘いものを食べるとなぜ歯が悪くなるのか、等歯に関する疑問・お話などを、
次回 11月7日(水)に西村先生からのご紹介で、豊中在中の歯科医 小川 美夜子先生のお話をお聞きする。

第5回 指導者研究会 Aグループ

内  容: 「今を育つ子どもの環境を考える」
日  時: 平成24年11月7日(水)
場  所: こどもみらい館
参加者数:  
講師: 歯科医師 小川美夜子先生
報告者: 嵯峨幼稚園 稲本 祐巳

歯科医小川先生に来ていただき、何故このテーマで研究を始めたのか、その結果何が見えてきたかお伝えした上で、虫歯について、様々なアドバイスを頂く。

 ■歯の欠損

 原因は最近の授乳の仕方によるものではないかと考えられている。
 母乳を赤ちゃんにあげるとき、以前は横抱きであったが、最近縦抱きでやるやり方が増えている。
しかし、その時、首を支える為に、頚椎を圧迫してしまい歯の歯胚(歯の芽)をつぶしてしまう。
また歯の欠損は、今後身体のどこかに異常をきたす可能性がでてくる。

 ■歯みがき

・30分以内に歯みがきをするべきである。みがく事が出来ない場合には固い物(メザシ・するめ・せんべい)を食べるとよい。
→唾液が沢山でる、摩擦により汚れが取れるため

・逆に言えば、歯みがきをしなければならないのは、軟らかいものを食べている人である。

 ■虫歯

・小学6年生の虫歯平均は1本

   虫歯が多い子どもは、コーラ虫歯・ポカリ虫歯が多い。

   →ポカリスウエットは体に良いと思い冷蔵庫に冷えている場合が多い。
しかし、砂糖だらけで歯には悪い。また、牛乳も飲んだ後は口をゆすがなければ、虫歯の原因となる。

●虫歯予防

 唾液の量は1日2リットル。唾液も予防となるので沢山唾液を出したい。
 その為に表情筋を発達させるとよい。または、よくかむ。

 ■子どもにおすすめメニュー1「まますてき」

  「ま」 まつたけごはん
  「ま」 まるぼしいわし
  「す」 すきやき
  「て」 てんぷら
  「き」 きりぼしだいこん

※よく噛まないと、飲み込めないもの。
※カタカナ主食は週に1回

  ■子どもにおすすめメニュー2「まごはやさしい」(伝統食)

   「ま」 まめ(豆腐・味噌)
   「ご」 ごま
   「は」 わかめ・こんぶ
   「や」 やさい
   「さ」 さかな
   「し」 しいたけ
   「い」 いも

●子どもの歯並びを治す為には?

 ①足ふみが出来る子どもにする。(体のバランスをとる)
 ②口笛の練習をする(唇の力を鍛える)
 ③大きな声をだす
 ④ウインクの練習をする(表情筋の発達)
 ⑤綿棒で前歯を刺激(意識がいき、バランスよく噛める)
 ⑥全身をくすぐる(腹筋などが鍛えられ、呼吸がしっかり出来る)
 ⑦硬いものを食べさせる(材料を細かく切り過ぎない)
 ⑧雑巾がけをさせる(よつんばいは、歯を食いしばる姿勢)
 ⑨前髪は、眉より伸ばさない(口の開け閉めがしにくい、口唇への圧力)
 ⑩食べる時の座り方(お尻を少し下げ、足を踏ん張る姿勢がいい)

●いい姿勢とは?

 最少単位で、重力に反発できる。
   ■首の傾きで、噛む位置が変わる。(食事の姿勢の大切さ)
   ■足を下につけて座る(足と腰に力を分散させる。例えば、お尻の下に物を挟むと腰が落ちる。)
   ■足の血 太ももの筋肉で上ってくる。弱いと、むくむ。
        裸足で全力で走らせる。足の指を使って。

第6回 指導者研究会 Aグループ

内  容: 「今を育つ子どもの環境を考える」 一年間の報告
日  時: 平成25年2月6日(水)
場  所: どもみらい館 4階 第1研修室
参加者数: 6ヶ園 6人
講師:
報告者: 夢窓幼稚園 中井 由美子

 2年間のAグループの研究では今と昔の子どもの違いを考え、なぜ昔はそうだったのか、なぜ今はそうなったのか、などと意見を出し合った。その中で虫歯の状況、睡眠時間の減少、姿勢、筋肉の発育、体力の低下、低体温、情報の取り方などのテーマがあがった。
 相談の結果、姿勢・筋力・食生活の3つをテーマとし、それぞれと幼児期の子どもの歯との関連性を考えてみることにした。

●虫歯の調査

各園の年長児20名を対象に調査をおこなった。参加6ヶ園で計120名のデータを集めた。

・表1のように虫歯のあるところを 1 と表記する  *表1は一部のみ参照
・120名のデータを集めた結果、まだ虫歯になっていない子どもが多く、顕著に多い(10本以上)子どもは2名であった。

(ある園の場合)
   虫歯のない子ども―13名/20名
   虫歯のある子ども―7名/20名

   一人当たりの虫歯の数―1.15本

・このデータを参考に姿勢・筋力・食生活との関係を具体的に調査する

●子どもの虫歯と姿勢を考える

 虫歯のあるなしで左右の傾きがないかと考え、2つの実測を行う

(実測項目)  
  ①あおむけに寝転び、左右の足の長さの測定
  ②壁を背に姿勢を正して立ち、左右の肩の水平差の測定

(実測結果)
①については若干名、若干のズレがあった。
②についても若干のズレ(2㎝未満)は見られるものの、両方とも測定する雰囲気にも影響し幼児期には難しい実測であった。
また、虫歯との関連性についても、虫歯のある子どもとの関連は特にみられなかった。もう少し学年が上がると関連性も見えてくるかもしれないが、幼児期においては虫歯が姿勢の良し悪しに影響していないことが分かった。

●子どもの虫歯と筋力を考える

 踏ん張ることで歯に力が入り、虫歯に影響を与えているのではないかと考え、2つの測定を行う

(測定項目)
①垂直飛び
②鉄棒ぶら下がり

(測定結果)
・測定する園の環境の違い(測定者、鉄棒などの測定器具、周囲の状況など)により、本当の子どもの体力の数値が出にくい。
・結果として数値を虫歯との関連性を結び付けることは難しい。
・経験値が増える事や仲間に励まされる事で意欲が増し数値がのびた。今回の測定では幼児期にとって経験や環境が大切であるということが改めて感じることができた。

●子どもの虫歯と食生活を考える

(好みの調査実施の一例)

・絵のように子どもに遊び感覚で好きな方を選んでもらう
・内容は 飲み方( ⓐペットボトル  ⓑコップ )
     飲み物( Ⓒ お茶  ジュース)
     おやつ( せんべい  チョコレート)
     主食( ①ご飯  ②パン  ③めん)
     副食( ④ステーキ ⑤ハンバーグ ⑥焼き鮭 ⑦めざし ⑧いも類 ⑨野菜 )

表2

(計120名のデータを集めた結果)  *表2は一部のみ参照

・前歯の虫歯につながるような要因(ペットボトルでジュースを飲んでいる)と直接の因果関係は認められなかった。かえってペットボトルと答えた子どもが少なかった。

・甘いチョコレートよりせんべいの方が好きといった意見もあり、虫歯と甘いおやつとの直接的な因果関係を今回の調査ではみとめることはできなかった。

・副食でのチェック項目には柔らかく調理した物か焼いただけの物を取り入れ、軟食傾向かそうでないかを確かめようとしたが、答えにはばらつきがあり、虫歯の多い子どもとの因果関係は認められなかった。虫歯の多い子どもが焼いただけの物を選んでいた。

・子どもの意見が好み重視(食べてみたい物)になっていて、実際に食べている物と違うかもしれないとの意見もあり、保護者への調査も必要と考えられる。

●生活に関するアンケート作成

表3

*表3は一部のみ表示

・園児向けの調査とほぼ同じような内容で作成する
・ただし、パーセンテージで回答してもらう
・子どもに自由に選ばせるとしたら、、、という項目も加え、同じように調査する
・各園の事情に合わせてできる範囲で協力を依頼する

●小川先生のお話から(2月6日分)
   (姿勢に関して)

良い姿勢を保つための筋肉を鍛えられるような遊びの要素を取り入れた活動の紹介

①ごろごろ転がし

 腕を高く上げ体をまっすぐにのばす。そのまま横になり、ごろごろと転がる。お母さんは転がるのを手伝う。この動きは背筋を伸ばしていないと曲がってしまうため、自然と姿勢を良くする意識が生まれる。

②ダチョウ歩き

 足首の後ろ側をつかみ、お尻を上げたままの状態で歩く。太ももの裏や股関節の前を鍛えることで、骨盤の周辺を安定させることが出来る。骨盤が安定することで猫背を防ぐことが出来る。

③片足キャッチボール

 片足でキャッチボールをする。不安定な姿勢で運動することで、足首や股関節のまわり、腹筋、背筋など、姿勢を保つための筋肉を鍛えることが出来る。

(食べる時の留意点)
 「利きあご」という言葉がある。その原因はどちらか一方の側で食べ物を噛んでしまう癖と言われ、顔のバランスが崩れ、歯並びのゆがみが起こる。
また、食事の時、お尻を少し上げ、(丸めたタオルなどを敷く)足を踏ん張る姿勢で食べることで噛む力が1.5倍になり、歯並びを整える。

(歯に関して)
・虫歯の平均本数は小学6年生で1本と言われている。
・欠損歯については乳児期に縦抱きをして頸椎を圧迫し、歯胚をつぶしている可能性も考えられる。
・虫歯になる要因は甘いおやつもあるが、食べた後の手入れの影響が大きく、歯磨きはもちろん、食べた後は堅いものや繊維質の物を噛むと歯磨きがわりにもなる。牛乳を飲んだ後でも口をゆすいだ方が良い。
・唾液の量は一日平均2リットルと言われている。唾液も虫歯予防になるので、唾液がよく出るように表情筋を鍛えると良い。
・おやつは食事の補給なのでおにぎりやおいもでも十分である。

●総括として(アンケートを踏まえて)

・子どもの回答と保護者の回答(パーセンテージの大きい回答)とに大差はなかった。

・食生活に関しては子どもの好き嫌いを考慮した上で、好きな物ばかりでなく嫌いな物も取り入れて調理されていることがわかった。

・主食に関して、子どもに自由に選ばせるとしたら、、、①ご飯 49.9%②パン 22.7% ③麺類 27.4%に対し、家での主食は①ご飯 70.1% ②パン 16.6% ③麺類 13.3%の結果であった。この結果からみて、主食ではご飯を多く取り入れられていることがわかる。飲み物のアンケート結果に関してもお茶を選ばれているなど、それほど歪んだ食生活ではなく、かえって子どものためにしっかりと取り組まれていることがわかった。

・ただ単純な食材しかなかった時代に比べ、品種改良された食材が出回り、料理器具も発達しさっと出来てさっと食べられる物が子どもたちの周りにはあふれているので、食事の偏りや軟食傾向になりやすい状況にある。

・今回の調査、測定では虫歯とのはっきりとした因果関係はみられなかったが、幼児期の食事が今後の生活に影響していくことも考えられるので家庭への発信を含め、園でも取り入れられることを研究し実施していきたい。

●一年間を通しての感想、その他

(清水台幼稚園  和田 妙子)

 子どもをとりまく環境の変化の中で、特に、最近の子どもの歯(虫歯)の状況を見直し、そこから見えてくるものがあるのではないか、、、というところから今年度の研究が始まりました。子どもの歯の状況と生活習慣を調べるにあたっては、グループ内で試行錯誤しながら進めたのですが、幼児期の姿勢や筋力を計測するのは難しく、考えていたような虫歯と生活習慣との関わりは見られませんでした。年齢が上がると共に虫歯との関連が出てくるかも知れませんが、この関わりが見られない幼児期から、正しい生活習慣を身に付けていくことが虫歯の予防にも繋がる大切なことだと、改めて感じました。
 今回、一つのことを掘り下げて研究していくことの難しさを感じながらも、その中での気付きや、担当理事の先生方からご指導いただいたり、又、歯科医師 小川先生のお話しをお聞きしたことを、今後、子どもたちや保護者へも発信していきたいと思っております。大変お世話になり、ありがとうございました。

(いずみ幼稚園  沓水 京子)

 この2年、今と昔の子どもの違い、環境の違いを考えていく中で、1つのテーマにしぼりこんで考える作業をしてきた。
 「昔はよかった」「昔はこうだった」とたしかに昔のいいところはたくさんある。しかし、今、私たちが共にすごしているのは今の子どもたちであり、この環境の中で子育てをしている保護者方であることに気付いた。
 今の子どもたちを取りまく全ての環境をふまえて(社会情勢やほんとうに身近な家庭環境まで)ずっと伝え続けたいこと、個々に合わせて伝えていきたいこと、たくさんの事を感じ、考えました。
 研究をしていてあまり結果は出ませんでしたが、それ以上に自分で考えることができ、私自身、この研究会の意味はそこにあったと思っています。ありがとうございました。

(嵯峨幼稚園  稲本 祐巳)

 もともと、虫歯と他との因果関係を研究することから始まったが、結局幼少期には…というより、幼少期だからこそそれが明確に現れることはなかった。
 ‘虫歯があるから~が出来ない‘と、いうことが絶対でない事が分かった為、筋肉や姿勢などの生活習慣などを、虫歯に結びつけるのではなく、姿勢は姿勢、筋肉は筋肉、虫歯は虫歯と夫々を独立させて丁寧に見ていくことが大切だという事に改めて気付かされた。
 また、虫歯予防に関しては、まずは歯磨きをすることが一番と思っていたが、小川先生のお話から、食べ物の嗜好や固さなどもかなり影響しているということが分かった。もしかすると、歯磨きの重要性を保護者に伝えるより、まだ歯磨き自体が上手くできない子どもにとっては、食べ物による虫歯予防をまず伝える方がいいのではないかとも思えた。
しかし、色々なアンケートやお話から最近の保護者の虫歯に関する意識の高さを知り、こちらも逆に保護者に正しく伝えられる知識を深めなければいけないという課題が見つかった。

(御室幼稚園  近藤 由佳子)

 筋力・食育・姿勢の3つと虫歯の関係を調べていくにあたり、当初は安易な考えであったが歯に対する意識が少しずつ変わっていった。
 虫歯に対しての知識はきれいに歯を磨けばいいという思いが強かったがそれだけではないことがわかり勉強になった。
小川美夜子先生の話の中で、牛乳はヤクルトを飲んだ時と同じくらいの甘さが口に残るという話を聞き、驚いた。保護者も知らない人が多いと思うとどのような形で保護者に伝えていくのがいいのかが課題でもある。おやつも甘いものだけがおやつという考えではなく小腹が空いているのであればおにぎりでもいいという発想がなかった。
虫歯に対する意識も歯医者に行けばいい保護者も多いとは思うが家庭で防げるのであれば防ぎ、歯に対する思いも強く持ってもらいたいと願う。 
学んだことを保護者・子どもに伝えていけるようにしていきたい。歯と筋力はこの年齢では直接関係はなかったが今回の資料が無駄にならないよう私の知識として今後に生かしていきたい。 

(光明幼稚園  古川 愛)

 1年間を振り返って、子どもの姿をデータ化し、そこから結果を読み取っていくことの難しさをとても感じました。例えば、筋力や運動能力については、経験やその時の条件で変化があり、計測時の環境が大きく影響してきました。データ化するという観点では、分かりにくい結果となりましたが、ここで改めて感じたのが、保育者や他児の存在です。鉄棒のぶら下がりでは、他児に負けまいと頑張ったり、保育者に褒めてもらおうとする様子がありました。肉体的な要素だけではなく、人的環境が力となり、心を支えて結果として出ていたのです。また、食事のアンケートも興味深く、自分のクラスの子どもたちの食生活を知ることができ、面白かったです。バランスよく献立を考えるのも難しいことだと感じました。普段、子どもたちと接していて気になることはたくさんありますが、深く調べたり、それについて他の職員と意見を交わす事があまりなかったので、この研究会に参加し、考える機会を与えていただき、とても勉強になりました。引き続き、子どもたちの為にできることを考え、指導者として成長していけるよう頑張っていきたいと思います。

(夢窓幼稚園  中井 由美子)

 今年度の研究会では子どもの虫歯との関連性という観点で姿勢や筋力の測定、食べ物の調査をおこなってきました。その中で子どもの虫歯の状況を改めて見直し、子どもの食生活に思いをよせ、アンケートを通して保護書の意見にふれることができました。調査をするまでは恐らく軟食傾向にあり甘いおやつやジュースが多いのではと危惧していましたが、想像とは違い、子どもが欲しがるものばかりでなく、それぞれの家庭内で子どものために食に対してよく考えられているのだなと感じました。
 また、鉄棒ぶら下がりや垂直跳びの筋力の測定では友だちに励まされる事で数値が上がったり、友だちの様子をお手本に自分のやり方を工夫しようと挑戦する姿が見られたりと周囲の状況が子どもの意欲や意思にとても影響することがわかりました。虫歯との関連という観点ではデータ量が少なかった為か、測定内容が見合わなかった為か、直接的な因果関係を見つけることはできませんでしたが、今回の測定で数値だけでは表せない幼児期ならではの無限の可能性を感じました。
 子どもをとりまく環境といってもとても幅広く、私たちは子どもがいきいきと健やかで自信を持って自己表現できるためにどんな環境を準備すべきなのか、そして自分自身もその環境の一部になれるようこれからも考え続けたいと思いました。ありがとうございました。