平成24年度 指導者研究会 【Cグループ】

第1回 指導者研究会 Cグループ

内  容: 研究をはじめるにあたってのお話(研究担当副会長 白旗文雄先生)
    ・新メンバー紹介等
日  時: 平成24年4月25日(水)
場  所: こどもみらい館 4階 第1研修室
報告者: 太秦幼稚園 加藤 舞

 平成24年度 指導者研究会 Cグループでは、昨年に引き続き個別の指導計画についての研究を行ないます。平成24年度は、担当理事の西村先生と昨年から続いて参加の5名の先生方の他、新たに2名の先生方をお迎えし、研究を進めてまいります。また、朝野先生にご指導を受けながら、更に知識、考察を深めてまいりたいと思います。

 第1回目では、昨年の研究の経過をたどり復習しました。全私立幼稚園で使っていただく個別の指導計画を作成するにあたり、いかに使い良いものにするかという事を話し合い、記入する項目を考察してきました。そして、今年度は各先生方がそれぞれの園から一人の子を選び実際に個別の指導計画を立て、持ち寄り、そこから学んでゆきたいと思います。

 初めに自己紹介を交えながら、今現在各園で使用している個別の指導計画の取り組み状況について話し合いました。
個別の指導計画を立てている園(8園中3園)では、園内で共通した様式があり、それを用いて立てておられました。また、様式については試行錯誤をしながら立てておられる園も多く、使いにくい点や内容が多くてまとまらないなどの課題を持っておられました。この研究会を機に取り組み始めたという園もありました。
個別の指導計画を立てていない園(8園中5園)では、職員会議などに全員(または学年ごと)が集まり、気になる様子を話し合い、全員が共通の認識を持ち保育ができる環境を作っておられました。また、どの園も担任が保育日誌やノートに記録を取っておられました。ただ、経験の浅い先生や次年度の担任にその子の様子が正確に伝わらないなどの課題もあるようでした。

  話し合いの結果、まだ個別の指導計画に取り組めていない園が多く、その園では記録として残さず職員同士の互いの理解のみという事が浮かび上がりました。何か背景があるのでしょうか。

 ここで朝野先生からの助言を頂きました。

 個別の指導計画を作成することで、進級・進学・年度途中の担任の変更などの時も引き継ぎがスムーズにいきます。共通の視点を持つことができるので、だれが担任をしてもその子への指導ができます。

 記録の方法には文字・文章だけではなく様々な方法があります。例えば、その子の作品を残し、過去と現在のものを見比べることで、その間に何を獲得したのかがわかり、それが記録となります。また、写真や動画、映像でその子の姿を記録に残すと、文字ではうまく伝えきれないこともその姿を伝えることができます。年齢が小さい子はこの方が伝わりやすいことがあります。

 個別の指導計画には上手くいかなかった手だても残しておきます。その時は合わなかった手だても時期が違えば合うことがあるかもしれません。

 書く時は、たくさん書くと重要なポイントとなる事がわかりにくくなってしまうので、特徴的なことだけを書くようにします。

 また、加筆・修正をする時は再度作成すると資料が膨大になったり作成者の負担にもなるので、赤色で書き直したり斜線を引くと良いのではないでしょうか。

 また、朝野先生から職員会議についても助言を頂きました。

 月1回ケース会議を開き、支援の必要な子や特徴的な課題のある子への手だてについて話し合い、指導の共通の視点を持てるようにしましょう。その際、年齢・役職の枠なく誰もが助言でき、話し合いやすい場であることが大切です。

 以上の話し合いを終え、次回までに京都市立幼稚園で作成されている個別の指導計画の様式を用いて各園から一人の子について作成し、持ち寄ります。そして、その個別の指導計画を基に話し合ってゆきたいと思います。

<当日の活動内容>

  • これまで(昨年)の経過の振り返り
  • 自己紹介
  • 各園で使用している個別の指導計画についての現状報告
  • 報告を受けて話し合い、どの様式が良いか検討する
  • 次回までに各自することについて
    (それぞれ一人の子どもを選び、京都市立幼稚園で作成されている個別の指導計画を用いて実際に作成する。)

第2回 指導者研究会 Cグループ

内  容: 保育現場から生み出す個別の指導計画
日  時: 平成24年6月13日(水)
場  所: 京都市子育て支援総合センターこども未来館 第1研修室
司会進行: 鴨東幼稚園 西村 二朗
指導: 朝野 浩先生(京都市教育委員会指導部総合育成支援課参与・立命館大学教授)
報告者:
  1. 就学支援シート試行園について
      支援を小学校へつなぐことを目的として、昨年度より実施。
      継続実施園 自然幼稚園 太秦幼稚園 南殿幼稚園 光華幼稚園 山科幼稚園
      今年度実施園 紫明幼稚園 聖マリア幼稚園 龍谷幼稚園 鴨東幼稚園 洛陽幼稚園
  2. 個別の指導(支援)計画を作成・実施して
      項目の分け方の根拠や、個別の支援計画を書く事によって、就学支援シートが書き易かった等の話合いを行った。

第3回 指導者研究会 Cグループ

内  容: 「個別の指導計画研究」
日  時: 平成24年7月4日(水)
場  所: こどもみらい館
担当理事: 鴨東幼稚園 西村 二朗
指導: 朝野 浩先生(京都市教育委員会指導部総合育成支援課参与・立命館大学教授)
報告者:

京都市個別の指導計画の枠組みで作成し、気付いた点。(前回の続き)

■京都聖マリア幼稚園

  • 「できない」という表現よりもプラスの表現をする方がよい。
  • どの項目に当てはめるべきかわからないものがある。
    例えば、ボタン掛けは着脱か手指の操作なのか。メガネをかけているはどこに記入か。

朝野先生の助言

  • 評価で「できる」と表現する場合、手だての何が効果的でできるようになったかを
    表現しないと、次の担任に伝わらない。ネガティブ表現の中からでは手だてが見えてこない。
  • メガネをかけている等は表紙の障がいの状態の中に遠視など入れておくとよい。
    また、自閉症の場合は絵カードを大人になっても使うことがあるので、その子の特性に合わせて、イラストのするのか、写真にするのかを決めたり、絵カードの効果を実践して、できるようになったことを具体的に書く。
  • 教師の困りが実態になるので、子ども目線で表現できるようにしていく。
    ・できそうでできないことが(芽生現象)、できるようになると本人も達成感が感じられるようになる。そこから手だてを見つける。

■太秦幼稚園

  • 呼びかけないと行動できない、椅子に座れないは生活習慣に入れるべきか。

朝野先生の助言

  • 生活習慣とは、基本的生活である衣服、食事をメインに書く。
  • 書き加える場合は、付け足して良い。
  • 個別の指導計画ができると、保護者と懇談しやすくなる。
  • できなかった時の製作、できるようになった時の製作をコピーして貼り合わせてもよい。

まとめ

  • アセスメントの部分を書くところがなかった。
  • 身体的と生活の区分けが難しい。
  • 自由遊びと一斉保育の様子が違うため、表現が難しい。
  • 5領域と個別の指導計画を近づけるようにする。
  • 指導計画と支援シートの項目のづれを合わせて、書きやすいようにする。
  • 「はさみが使える」「折り紙は見本があれば折れる」「左右のけんけんができる」など具体的に書くようにする。

次回までの課題

討論した結果をもとに個別の指導計画を再び作成する。

第4回 指導者研究会 Cグループ

内  容: 「保育現場から生み出す個別の指導計画」
日  時: 平成24年9月12日(水)
場  所: こどもみらい館 4階 第1研修室
指導: 朝野 浩先生(京都市教育委員会指導部総合育成支援課参与・立命館大学教授)
報告者: 南殿幼稚園 高濱 朋子

項目ごとに分担し記入してきた<個別の指導計画>に目を通してから「書き方に困ったこと」「書式的に書きにくかった所」などを話しあった。

<全項目共通>

  • “具体的手立て”は、「~すれば、~できる。」という書き方をする。
  • “具体的手立て”は、見知らぬ第3者が見てもわかるような具体的な表記をする。
       → 園内の他の先生に見てもらう等すると、自分で気付かなかった所に気付いてもらえる。
  • 幼稚園の先生は、日頃から文章の書き方として「~できるようにする」と表記することが多く、苦手な子どもにどのような手立てで書く時に「繰り返し伝える」で終わってしまうことが多い。
  • “目標”“手立て”は裏表になってくる。

<食事・排泄>

  • プラス表現で書くようにしたが、人の2倍時間がかかる子どもに対してどう表現してよいか困った。
  • 好きなものは自分で食べる  ×
     好きなものは自分から食べる ○  → しかし、嫌いなものはどうなのか見えてこない。
    ⇒ 好きなものは自分から食べる。嫌いなものは食べようとするが残す。 等、事実的に記入する。
  • おはし → 普通のおはしなのか、エジソン箸なのか はっきり書く。
  • 今の京都市の『個別の指導計画』の表だと、流れがつかみにくい。列がそろうと見やすいのでは?

<人とのかかわり>

  • 「目標」を“相手の話にも耳を傾ける”とした場合、それが適切な目標なのか。
    ・周りの子ども…「名前を呼んでから話しかけてあげてください。」
    ・本人……………「“Aちゃん”と言われたら答えを返しましょう。」 など
    ↑このように、障がいの子どもだけに向けての目標になりがちだが、クラス皆で過ごしやすいルールを決めてあげると、意外とスムーズに決まっていく。
  • 障がいの子どもには、ごっこ遊びはわかりにくい。
  • 障がいの子どもは、誰かモデルする子どもがクラスの中にいるはず。モデルの子どもを常に隣にいるようにしたり、モデルの子どもがどうしているのか聞かせてあげたりすると、スムーズにいくこともある。

<ことば>

  • ここでは、ことば=発達的なところ と、限定したほうがいいのではないか。(一語文、二語文で話す、など)
  • 遊びの中や、人とのかかわりに関することばの内容については、<人とのかかわり>のところで表記する。

<遊び>

  • 即時評価が大切!! できた時には具体的に、すぐほめる。
  • アスペルガーの子どもは、言葉の発達の遅れはないが言葉の使い方が下手である。

≪今後に向けて≫

  • 指導要録の感覚があるため、枠が大きいとだらだらと書いてしまう。枠のちょうど良い大きさを考慮する。
  • 実態はあるがまま書けばよいが、最優先目標を見つけてあげればよい。
  • “具体的目標”は3つ程度書く。

≪次回までにすること≫

  • 書きやすい枠組みを各自考えて書いて持ちよる。
  • 書きにくい項目については、事例を持ちよる。

第5回 指導者研究会 Cグループ

内  容: 保育の現場から生み出す個別の指導計画
日  時: 平成24年11月7日(水)
場  所: こどもみらい館 3階 研究資料室
担当理事: 鴨東幼稚園 西村 二朗
指導: 朝野 浩先生(京都市教育委員会指導部総合育成支援課参与・立命館大学教授)
報告者: 洛陽第二幼稚園  玉井 智子

1.個別の指導計画の個別の項目について

■それぞれが考えてきた案や意見を発表していく。

 あまり枠がきちんとしていると、埋めなくてはいけないという思いを持ってしまう事。 又、年長児になれば生活面などについては殆ど記入する事がなくなってくるので その子にとって一番重要となる部分を自由に記述出来る様な様式であると良いのではないか?

 ことばは、言語の発達で喋れないのか? 思いを伝えられないのか? 等様々な関係がある為、別枠にしてみてはどうか? 

(山科幼稚園 田井中先生)

その他:

  • 目標や手立てが、学期を跨いで継続する場合は矢印等で記述出来るようにする方が解る
  • まだ、パソコンでの入力が不可能な園も多いので、ある程度の手書きでも記述欄が自由に使える方が良い。
  • どの項目にもあてはまりにくい内容についても記述出来る様に、その他の様な欄を設けると良いのではないか?
  • 記述例のような物があると解りやすい

※健康状態・安全意識等・運動面については生活や社会・情緒に関連して記入。 若しくは、身体状況としてアセスメントに記述する方がより伝えやすいのではないか?

(表)

●浅野先生よりアドバイス●

 それぞれの項目毎のチェック項目があれば、どの程度の事が出来ていて、何が課題であるか?という事がより解りやすくなるのであればそれを添える事を考えてみては?

(危惧される点について)

  • 評価については、個々によって出来ていると判断する基準が異なる為にきちんとした記述が出来るか?
  • チェック項目がある事で、見取りが十分に行えないという面はないか?
  • 一人だけでの作成とならず、2人以上の目を通した書面にした方が良いのではないか?

                                      

2.次回指導者研究会について

  • 生活(食事・排泄・着脱・生活習慣)
  • 社会性・情緒(人とのかかわり・ことば・遊び)

 ※健康・安全・運動(運動・手指の操作)はそれぞれの項目に含めて考える
上記2つのグループを決め、それぞれにチェック項目を考え12月5日(水)までに西村先生宛てに送信する事となる。

 また、それを元に1月9日(水)に再度話し合いの場を設け検討する。

第5.5回 指導者研究会 Cグループ

内  容: 保育現場から生み出す個別の指導計画Ⅳ
日  時: 平成25年1月9日(水)
場  所: こどもみらい館 3階 研究資料室
担当理事: 鴨東幼稚園 西村 二朗
指導: 朝野 浩先生(京都市教育委員会指導部総合育成支援課参与・立命館大学教授)
報告者: 聖マリア幼稚園 藤田 尚子

指導計画書にチェック項目を設けることになったきっかけは、

*全ての状況を記載するのは大変な作業となる。
*全園で共通認識が出来るものがほしい。

指導計画書において今回新たにしたこと

  • 枠組みを作らない(各園が自分で線をひくなどの工夫をする)
  • 特記事項の欄を設ける。
  • 実態状況の所にチェック項目を設ける
  • チェック項目は設定保育と自由保育を無理に分けない(子どもの姿は違うが)
  • 安全と健康は生活に含める
  • ことばは独立させて、ことばの獲得とことばの使い方に分ける

今回の作業は12月末に、西村先生に提出したチェック項目についての検討。
津森真先生の乳幼児精神発達診断法を見ながら、実際の発達度が捉えやすいように見直しながら作業を進めた。

チェック項目については、
食事・排泄・着脱・生活習慣・健康安全・ことば・人とのかかわり方・遊びかた・運動
手指の操作の項目を各園で分担し、子どもの実態を知る手がかりとして、必要だと思われる質問を考え出した。

状況を細かく言うと、それぞれの項目は関わり合っていて分類するのは難しい。どの項目に当てはめれば子どもの実態が分かりやすいのか、子どもを理解しやすいのかを話し合った。また各園の先生がたが考え出した項目を一つ一つ丁寧に確認し、色々なニュアンスに取れる言葉や、同じ意味の内容を共通理解しやすいように整理した。

療育の専門家が保育の中に入り、療育的なことを行えるような制度の時代が来るので、我々は療育の先生が子どもに対して何を行っているのかが分かる知識が必要となってくる。
園の保育の流れ、園の方針や軸足を乱されてしまわないように、知識や技能を持つこと。
今の形態でも、園と療育で差があったりして、間に入っている子どもや母親と上手くいっていない事がある。子どもを長い間見ている場(園)が、力を持っている必要がある。
園と療育の間でお母さんが迷い聞いてこられたことについて、このような資料を持って、
きちんと説明してあげないといけない。(具体的に、療育で言われたことが、集団においてどう生かされているか、つまずきがあるのはこのようなところです、療育に力を入れて、指導してもらいましょう、など)
それにはまず、われわれが気付くという目を養う事が大切。このような指導書を作成するにあたって、子どもを見ようとする姿勢がでてくる。

指導計画書のチェック項目の出来る事だけに○をつけて、手立てや目標が書かれないかもしれないという恐れが浮上したが、この指導計画が、指導上子どもの理解の手だてになればと願う。

時間が足りず、今回は、人との関わり方・遊び方・運動・手指の操作について検討出来なかった。分担して内容を検討、整理して、2月6日までに西村先生に送る事になった。
(2月8日の第6回の指導者研にはフォームが出来上がっていなければならない)

第6回指導者研の発表者 聖ドミニコ学院京都幼稚園 中山範子先生

第6回 指導者研究会 Cグループ

内  容: 保育現場から生み出す個別の指導計画6
日  時: 平成25年2月6日(水)
場  所: 子どもみらい館 4階 第1研修室
担当理事: 鴨東幼稚園 西村 二朗
指導: 朝野 浩先生(京都市教育委員会指導部総合育成支援課参与・立命館大学教授)
報告者: 聖ドミニコ学院京都幼稚園 中山 範子

個別の保育支援計画(案)の最終確認をしました。

  1. 人との関わりのチェック項目の見直し。
  2. 気づきのねらいとは、指導計画or子どもの困りどちらでも良いがちょっとした気づきを書くためのもの。その子どものシ-トを作成しようと思った動機。
  3. 実態を記入する欄においてチェック項目及びねらい等の記述例が記されているが、自由記述できるスぺ-スもとれるように工夫する。
  4. ねらいの欄の手だての横に(環境)と記されているのは手だてというと、道具的なことを考えがちだが、保育者が環境も意識できるように加えた。
  5. 実態に置いて「できない」と記述しないで「できる」としているのは、保育者は子どものできないことはよく見えるが、できることは意識して見ないと見えないからである。当たり前にできていることは見過ごしてしまうので、保育者が意識して注意深く見るためにあえて「できる」という表現にしている。
    出来ることがあるため次の目標が出てくる。スタ-トができないでは目標は見つからない。できることを励まし続けることが大切である。できないことばかりでは成長できない。

以上のことについて話し合いました。

【資料データのダウンロード】
個別の指導計画(案)2012年度:簡単な解説付き…….[PDF ファイル 467KB(2012_01_questionnaire.pdf)]
個別の指導計画(案)2012年度:様式…….[PDF ファイル 385KB(2012_01_questionnaire.pdf)]

個別の指導計画(案)2012年度:簡単な解説付き