平成24年度 特別支援教育研究会【第4回】

特別支援教育研究会(第4回)

内容: 「 」
講師:
日時: 平成24年10月10日(水)
場所: こどもみらい館
参加人数:  
報告者: 洛西花園幼稚園  紙谷 恵理

【講演まとめ】

はじめに

 今回で4回目となった、研究会。今回も朝野先生にお話を聞かせて頂きながら、インシデントプロセスの手法をもってグループワークを行い、保護者対応と就学指導について研究を深めていきました。

保護者対応

◎支援のポイントの三段階

 支援をしていく上でポイントとなるのが、まず一つ目は基本的環境の整備です。これは物理的な問題なので誰でもできます。二つ目は子どもに自信をつけさせることです。自分の身になって考えることで、その方法が見えてきます。三つ目は子どもの特性から指導法を考えることです。
 高機能自閉症の子どもに分かりやすい環境は、他の子どもたちにも分かりやすいのです。

◎保護者の心を支えよう

 良好な親子関係こそが、子どもの情緒安定につながります。保育者は、保護者自身も苦しんでいることを理解する必要があります。子どもとの関係は保育者は長くて3年、保護者は一生であることを理解しておくべきなのです。また、保護者に気持ちの持ち方を変えてもらうために、保育者は保護者を変えてやろうと思うのではなく、保護者に自ら変わってもらうことを手助けしていくことが大切です。保護者の心の安定があってこそ、子どもも安心していられるのです。

◎保護者への対応

 保護者と話す時は障がいのある子どもをここまで(幼稚園の場合は就園までの3、4年)育ててきたことへの尊敬の気持ちを持って話すことが大切です。
 大抵の保護者は自分の子どもの障がいをすぐには受け止められないので、保護者の障がい理解の過程(疑念→葛藤→診断→挑戦→受容)を頭に置いて話をすることも大切です。
 保護者へのサポートは、まずは障がいのある子どもを持ったことに対する挫折感や喪失感への共感が大切です。また、保護者の不安や悩み、願いに耳を傾けること・信頼関係を確立する(カウンセリングマインド)・保護者を人間として理解し、尊重する・保護者の自立心を高める(我が子なりの育ちを喜び、共に生活する楽しさが感じられるように)・保護者の心のゆとりの回復に向け、援助する等のサポートが必要です。

第3回研究会コミュニケーションペーパーからの学び

◎保護者対応について

 保育者は保護者に、保育者が感じてる日常の困りや支援の必要性を伝えようとしてしまいがちですが、あくまでも保護者は保護者であるので、指導上の困りを伝えてはいけません。子どもの困りを伝えるのです。保育者の指導上の困りは園内で解決するのが原則です。また、何を伝えようとしても受け入れてもらえなかったり、協力してもらえないのは、まだ保護者が受容の状態になっていないためなのですから、待つということも大切です。例えば、医者から癌と宣告されたらどうするでしょうか。素直に認められない気持ちや、どうすることもできない思いを理解していくことも必要です。

 障がいのある子どもの起こすトラブルについて、他の保護者に理解を得るために、どう伝えるかという悩みについては、まずは予測可能ことは園でルールを決め、危機管理をしっかり行っていく必要があります。指導者の手だて方法論までの管理責任を問われることになります。

 また、療育機関や専門機関との良好な関係を築き、数値だけでなく、指導の手だてや方法論までのヒントをもらうことも大切です。

◎就学に関して

療育に通っていない子どもの就学相談については、日常の記録が重要になってきます。日頃から細かい記録を取り資料を残していくことで、相手(保護者や学校)に伝えやすくなります。

◎障がいの理解と支援の手だてについて

 「わがまま」と「こだわり」の見極めが難しい場合や、「こだわり」があって集団活動に入れない子をどこまで引き込んで良いのかという判断は、日常の観察から決めていくことが手立てへとつながっていきます。

就学指導について

◎二極化する特別支援教育・特別支援教育の現状

 障害者制度の改革等により、障がいについての考え方が変わってきている今、就学指導・就学相談も変わってきています。
発達障がいへの理解促進に比例した担当教員の必要性の増加と質の確保が追いつかないことや、教員意識の従来のやり方拘り派と積極派の二極化。また、取り組みの格差の広がりがあります。そして、医師の診断を根拠に強制的な排除や放置がなされ、発達障がいを持つ児童がが押し出されているのです。

 特別支援教育の現状としては、ほとんどの支援児は普通学級に通っています。特別支援学校には知的障がいの子どもが多く、普通学級には自閉症やLD、ADHD、情緒障がいの子どもが多いのが現状です。

 小学校、中学校に比べ、義務教育ではない幼稚園、高等学校の支援体制が遅れているという現状もあります。

◎就学相談

 保護者との信頼関係をもって小学校へ就学する基礎を作るのが就学相談です。そのために、日々の記録をしっかりと取り、きちんとした資料(就学支援シート)を学校へ渡すことが大切です。

【デモまとめ】

日時: 平成24年10月10日(水) 午後2時30分開会
場所: こどもみらい館
記録・報告: 光華幼稚園 松野 千早

♢デモグループによるグループ討議

〈事例〉保護者対応について

4歳2か月 男児 Hくん

 

現在療育に通っている
体を動かす事が好きで、戸外での追いかけっこをして楽しむ
園外に出ると、興味のある所へ行ってしまうため安全面で配慮が必要

担任が、保護者に家庭での様子を聞くと、特に困ったことはありませんという答えが返ってくる。
お買いものなど外に出た時の様子はどうですか?と具体的な内容の質問をすると
「買い物中はカートに乗せています」「勝手にどこかへ行ってしまいます」という答え。

園で手がかかる場合は補助の先生をつけてほしい。
また、子どもが家にいる時間を減らすために園で預かってほしいという点が園に対する保護者の希望

保護者は、子どもがそのままの姿で良いと思っているのでしょうか?
それとも、みんなと一緒に行動してほしいと思っているのでしょうか?

一緒に行動してほしいと願っています。

Hくんは、周りの子ども達に興味を持っていますか?

近寄って遊びたいという様子が見られます、友達の手を引っ張ったりして興味を持っているようです。

保護者は、Hくんの行動に対してどこまで理解が出来ているのでしょうか?

道を歩いている時は、勝手にどこかへ行かないように特に気を配っているようです。

療育に通っているということですが、どのような手立てが必要か、お話がありましたか?

ありました。療育でのお話を聞いて、園でも様々な方法で対応しています。

療育ではどのような手立てをしていますか?

とにかく体を動かすようにしているそうです。その後、落ち着いてから友達と遊ぶようにしています。

担任の先生は、Hくんが集団に入れない事を保護者に伝えたいと考えていますか?

集団に入る事よりも、Hくんにとってどんな方法をとれば理解しやすいかという事を伝えたいと思っています。
また、危険回避を身に着けていくために、園と家庭との共通理解を望んでいます。

保護者は、Hくんの家での様子に困りを感じていないのではないでしょうか?

根気よく伝えていくことも大切ですね。
Hくんへの伝え方、保護者への対応を工夫しながら、今後も続けていきたいです。

♢朝野先生より

 保護者は、Hくんに対して、就学するまでにまだ時間があるという思いもあるのではないでしょうか。
園や担任の先生が、就学までの生活に計画性をもっていないと、様々な事が親には伝えられません。
療育に行っているということですが、
例えば多動に対しての対応として、タイマーや、目覚ましのベルを用いて「ここまでは自由にしてもいいよ」と、自由にしても良い時間を知らせるなど、
ただ遊ぶのではなく自由遊びの中に課題設定をする事も大切です。
自分の席に座る、または自分の座布団に座るなど、家庭の中でもHくんが集中できるものを取り入れるなどして対応すると良いと思います。

また、言語理解がどこまであるか、指示がわからずにしているのかどうか、どこまで指示が聞けているのかということも含めて今後も見ていくようにしましょう。

【資料】提示用京私幼特支研H241010追加就学指導

提示用京私幼特支研H241010追加就学指導


【資料データのダウンロード】
提示用京私幼特支研H241010追加就学指導…….[PDF ファイル 8.1MBKB(2012_04.pdf)]

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