巻頭言

子ども・子育て関連3法案について

(社)京都府私立幼稚園連盟
理事長 藤本 明弘

子ども・子育て関連3 法案については、衆議院で修正可決された後、7 月11 日(水)には、参議院本会議が開かれ、子ども・子育て関連3 法案を含む社会保障と税の一体改革にかかる法律案の趣旨説明及び質疑が行なわれ、7月18日(水)には特別委員会での審議が始まりました。以下、主な質疑内容です。

  1. 幼児教育・保育制度が、見方によっては一元化ではなく三元化になってしまうという
    批判に対してどう説明するのか。

    • →認定こども園、幼稚園、保育所の給付を施設型給付として一本化、その上、地域のニーズに対応できる多様な施設を用意。
      このことは一定の成果。今後は行政組織の在り方を検討していく。
  2. 今後も幼児教育には株式会社を参入させるべきではない。
    • →参議院での議論も踏まえ、検討すると回答するにとどまる。
  3. 制度に必要な1 兆円のうち7千億円は消費税の増税で賄うとされているが、残りの3 千億円の財源はどのように作るのか。
    • →財源の確保については、3 党合意及び法案の附則に基づいてその確保のため最大限努力していく。
  4. 子育て中の保護者などに対して、新制度をどのように説明していくのか。
    • →新制度の周知については、国会審議を通じて国民に制度改正の内容についてその意義や仕組を説明することが重要と認識している。
      関係者に広くきめ細かに周知に努めていきたい。
  5. 「子どもは家庭で育てる」ことが基本だと考える。
    「子どもは社会が育てる」とするなら、家庭教育の役割は何。子どもが親を尊敬する気持ちをどのように育てるのか。

    • →子育て政策の理念については、家庭教育はすべての教育の出発点であり重要な役割を担っているものと考えている。
      一方で、家庭や地域を取り巻く環境の変化に鑑み、社会全体で子育てを支えていくことも重要となっており、家庭教育の重視と社会全体での子育ての支援はともに大切である。

    総合こども園制度の撤廃、幼保育連携型への株式会社の新規参入不可、指定制の見送り、移行は強制でなく、幼保とも手上げ方式に修正など、私立幼稚園関係者にとって朗報と言える内容も含まれるものの、具体的にクリアしなければならない課題は山積です。夏休みをはさみ、9月にはどのような内容・方向で審議されているのか…。