巻頭言

福島復興支援募金活動のお願い

(社)京都府私立幼稚園連盟
理事長 藤本 明弘

 時が経つのは本当に早いもので、いつの間にかお彼岸が過ぎ、今年も3 か月を残すのみとなりました。そんな中、東日本大震災も発生から1 年半以上が経過しましたが、被災地の復興への道のりは依然として非常に厳しいままです。とりわけ福島県に至っては、原発の爪痕は想像を絶するほど深いものがあります。しかしそのような現実の中にあっても、現地の方々は復興への一筋の光を信じて、ひた向きに頑張っておられます。ところがその一方で、私たちも含めた社会の関心は徐々に薄れてきていることは否定できないのではないでしょうか。

 京私幼連盟は地震発生直後の平成23 年3 月末から今年の3 月末まで、4 回に渡り「義援金活動」を加盟園一斉に行い、大変多くの設置者・園長先生のご理解・ご協力をいただき、実に合計4300 万円以上の義援金を全日私幼連に送金いたしました。これは全国でも突出した有り難いものであり、先生方そして保護者の皆さまの温かいお気持ちに改めて心より感謝申し上げる次第です。

 既にご案内の通り、今年の京私幼連盟の園長・設置者管外研修は6 月末に福島県を訪れました。その最大の目的は言うまでもなく、東日本大震災で被災された幼稚園関係者の皆さまに直接お話を伺い、テレビや新聞などの報道では知り得ない、震災発生直後から現在までに、現場の中で起こっていたことに直接触れることで、私たちが京都からどのような支援をするべきなのか、何が出来るのかということに向き合うことでした。そしてもう一つは、京都に住む私たちが学ぶべきことは何なのかを考えることでした。

 関係者の先生方からは大変貴重なお話を伺うことができ、月報を臨時発行させていただきました。そして、改めて、大震災とりわけ原発の爪痕は深く深く関係者の皆さんの心の中に残り続けていて、復興までには遥に遠い道のりがあること、国や東京電力の賠償もいまだにほとんど手つかずのままであること、行政はこのような未曾有の事態でも前例にこだわり例外を認めないこと、などなど聞くこと全てが驚きの連続でした。しかし、そのような中にあっても福島の皆さんは、「子ども達の笑顔を見たら、しんどいことや、嫌なことなんか吹っ飛んでしまう」と笑顔で応えて下
さいました。

 今年度も半分が過ぎ、大震災から1 年半以上が経過しましたが、これを機会に京私幼連盟としましては、今年度は福島県を対象とした復興支援募金活動を全加盟園の皆さまにお願いしたいと存じます。前回と同様に京私幼連盟一斉に実施いたしますので、皆さまの温かいご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。
(詳細は近日中にお知らせいたします。)