巻頭言

「子ども・子育て支援新制度」について

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟
理事長 藤本明弘

 この度の台風18 号により被災されたご関係の皆さまにお見舞い申し上げますと共に、一日も早く元通りの平穏な日常を取り戻されますことを心よりお祈り申し上げます。

 今年の4 月26 日に国の「子ども・子育て会議」が動きはじめ、5 か月が経過しました。その間、本会議は6 回開催され、専門部会である基準検討会議も5 回開催されています。全日私幼連からの速報や内閣府のH.P. などでタイムリーな情報が提供されていますから、ある程度の内容は皆さんもご存じかとは思いますが、非常に大まかにいうと、遅々として進まなかった当初と比べると、ここにきてようやくと言うのか、さすがにと言うのかは別にして、かなり動きがみられるようになってきています。

 本会議と専門部会を合計すると一月に2 回余りの開催ペースですから、5 か月の時間の中で動きが見られることは当然のことながら、新制度の理念や方向性といった入口の整理にこそ時間を要しましたが、ここからは施設型給付や公定価格を決定するなどの具体的な作業に入っていきます。大きな制度だけに初期作動に要するエネルギーと時間はそれなりに必要でしたが、一度ゴロンと動き始めるとひょっとすると加速度がつき、丁寧な運営がされないのではと危惧を抱いています。

 京都府では「京都府子育て支援審議会」が立ち上げられ、8 月8 日に1 回目が開催され、この会議がいわゆる「子ども・子育て会議」の京都府版の親会議となります。そして、その専門部会として位置づけされる「こども・子育て緊急支援プラン検討委員会」も設置され、こちらは既に計6 回開催されました。

 京都府では既にいわゆるニーズ調査のひな形も作成され、府内の市町村担当者にも説明がなされたところです。従って10 月から順次、府内の各市町村において、子育て家庭を対象としたニーズ調査が実施される見通しです。当初示されたニーズ調査の案は余りにも労働政策に偏り、子育てよりも仕事を選ぶことが親の選択肢のような錯覚すら覚えるようなものでしたが、京私幼連盟市町村対策委員会が中心となった京私幼としての意見を、京都府が相当な部分反映して下
さったことは非常に大きな成果であったと感じています

 しかしながら政令指定都市である京都市の動向も含め、これからがいよいよ大きな節目となります。京私幼として更
なる組織の一体化を重視しつつ、情報収集と発信に努めてまいります。加盟園におかれましても、それぞれの市町村の
担当者に向けて「子どもの最善の利益」「幼児教育・保育の質の担保と向上」「公私幼保間格差の解消」を柱に積極的に
ご発言頂きますようお願い申し上げます。