巻頭言

中堅教員研修会 ~同僚性の中での保育のスキルアップ~

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟
理事長 藤本明弘

 公益社団法人京都府私立幼稚園連盟は、次年度も子ども達の健やかな成長のために、保育の質を向上させることを何よりも重視することは今さら言うまでもありません。そしてそのためには、様々な研修事業の更なる充実が求められることは疑う余地がありません。研究の京私幼として先達の先生方が切り拓いてくださった様々な研修活動に、加盟園の皆さんは積極的に参加することを通して、自らの保育のレベルアップとスキルアップを図っておられます。日々の保育終了後に自主的に受講する先生方や、自園の先生方を積極的に運営委委員や受講生として研修会に送り出して下さる、設置者・園長先生方に頭が下がる思いでいっぱいです。

 ご案内の通り京私幼では、新規採用研修会を皮切りに、研究総会や幼児教育相談研修会、京研大会、教職員運動大会、全体研修会、京研大会、地区研などさまざまな研修会を実施しています。特に新採研は地区での開催も合わせると、年間で合計10回も開かれており、新任の先生方にとっては非常に手厚い内容となっています。

 その反面、先生方にとって新採研を受講した後の京私幼の研修への参加は、各幼稚園や各自の判断に任せられているのが現状です。しかしながら2年目以降の学びも重要であることは当然であり、そこで次年度は経験年次を重視した研修体制を構築する第一歩にしたいと考えております。将来的な全体像としては1年目、3年目、5年目、7年目、10年目というふうに切れ目のない年次ごとの研修会を目指していきたいと思います。

 年次ごとの研修会の目的は大きくは二つあると考えます。ひとつは保育者としての資質向上を連盟として縦断的にフォローアップすること。もうひとつは、同僚性を重視して日々の保育の中での様々な学びや課題や悩みを同期という中で認め合い、高め合うことです。

 特に同僚性は近年、教育界で非常に注目されており、保育者の専門的な力量を形成するためには、同僚の援助や助言がきわめて大きな役割を果たすことが改めてクローズアップされています。もちろん通常は園内での関係性の中で使われることが多いのですが、新採研という非常に中身の濃い研修をグループ活動を主として受講した点では、同じようなことが言えるはずです。

 新制度が始まる今だからこそ、京私幼のすべての加盟園が質の高い保育を実践していることを社会に発信し、認知されるためのも非常に重要な取り組みになると考えます。最初の試みとなる次年度は、既存の研修会を利用しながら、経験年数ごとの先生方の参加を呼びかけてまいりますので、皆さまのご理解・ご協力を何卒よろしくお願い申し上げます。