巻頭言

所   感

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟
理事長 田中 雅道

 新年度を迎え、園庭には新入園児の泣き声や元気に走り回る進級児の姿が溢れ活気に満ち溢れていることと思います。

 従来、幼稚園は満3歳以上の子どもたちを集団で教育し、それぞれの子どもの学びを深めることを目的として保育を行ってきました。今年、その機能に加えて誕生から小学校入学までの全ての子どもたちに、家庭における教育をサポートする役割が期待されています。

 幼児の育ちにとって、家庭は安定した存在であり、子どもの心の安定に必要不可欠なものです。それぞれの家庭で営まれる教育に関して、従来、国は踏み込まない方針を持っていました。ですから養育機能を持っていない家庭への支援としての保育所が必要であると考えていました。
幼児を育てる三本の柱である、家庭の教育、地域の教育、幼稚園の教育のそれぞれを独立したものとして考えてきましたが、これからは家庭の教育機能、地域の教育機能をサポートする役割を幼稚園に期待する声が上がってきています。子どもが生まれれば気軽に幼稚園に出入りし、家庭の教育に対しての援助をしてもらえるという安心感を与えてあげる機能が幼稚園に求められているのです。これからの新しい幼稚園像を目指してそれぞれの幼稚園が地域に必要な機関としての役割にチャレンジして頂くことを期待しています。