巻頭言

笑顔の贈りもの

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟
副理事長 中浦 正音

 平成29年度もスタートして2ヶ月が経とうとしています。各幼稚園では子ども達も新しい環境に慣れ、遊びに興じる大きな声が響き、たくさんの笑顔の花が咲いていることでしょう。京都府私立幼稚園連盟においても様々な事業がスタートし、研修・交流・振興の集いが子ども達の幸せを願う熱き想いのもと繰り広げられています。今年度は理事役員の改選期であり、6月には新執行部が新鮮な風を吹き込んでくれると思います。そしてその為にも現理事団も与えられた責任をしっかりと全うしてしっかり引き継ぐべく「99里を以って道半ばとす」の気持ちでラスト1ヶ月、任にあたりたいと思います。特に今年の7月には近畿地区教職員研修大会が6年ぶりに京都で開催されます。新旧理事団のみならず加盟園の総力を挙げて有意義な大会になればと願います。会員の皆様の御協力を宜しくお願い致します。
 私立幼稚園を取り巻く環境は順風満帆とは言えないかもしれません。新制度が10年後どの様に評価されているのか、まだまだ不透明であります。こんな時こそ原点に戻ってみる事・色んな意見を聞く事・想いを共有する仲間と力を合わせる事が必要であると思います。大会の当番が回ってきたと負担感を持つより、運営を通して京私幼が集い・語らい・一致団結するチャンスを頂いたと捉える方が良いのではないでしょうか。近畿地区に所属する園にも認定こども園移行園が多くあり、こういった機会に色んな情報を頂き、それを基に京私幼の仲間と談論風発をしたいと思います。
 さて、振興担当副理事長として今年度既に実施された3地域の園児大会の御報告並びに御礼を申し上げたいと思います。京都市内にある幼稚園の5歳児親子が植物園に集った5月11日中央園児大会を皮切りに、5月17日には舞鶴市民体育館にて両丹地区園児大会が、6月24日には亀岡市民体育館において口丹地区園児大会が開催されました。3大会共に天候に恵まれ、例年にも増して多くの参加を得、素敵な大会となりました。
 中央園児大会では、京都府が展開されている人権啓発ひろめ隊の御協力を得て、例年とは一味違った運営を試みました。人権啓発イメージソング子ども版「笑顔のおくりもの」の作詞家鮎川めぐみさん、歌っておられるフラリーパットさんにお越し頂き、子ども達と共に素敵な歌とおどりの時間を共有しました。何にも増して輝いた時間であったと思います。
 両丹地区では園児たちが忍者になって協力して成長していくストーリーが展開され、口丹地区では他の園の子ども達と輪になって行うダンスや玉入れ、名札の交換が印象的でした。何よりも山田啓二知事様が全ての園児大会に御臨席下さり、保護者の方々にエールを送り、かつ子ども達と親しく時間を共にして下さった事に感謝したいと思います。時にはヒーローとなり、時には輪に入って一緒に競技を楽しんで下さいました。いつも山田知事様は子ども達こそが未来の宝物であり、子育てをされるご家庭こそが社会の宝物であると言って下さっていますが、正しくそのことをこの園児大会の中で身をもってお示し下さったと思います。参加された多くの保護者の方々が強くその暖かいお気持ちを感じられたのではないでしょうか。
 園児大会では5歳児の子ども達が、自分の園のお友達だけではなく多くの見知らぬ友達と出会う貴重な経験をしたものと思います。私見ですが幼児期と思春期という人生の大切な2つの自立期の内、5歳児の子ども達にとって大切な事は、どれだけイメージの世界を広げられるかではないかと思っています(それに対して思春期の課題は自分の内面をどれだけ深く見つめられるかではないでしょうか。)5歳児の子ども達にとってこの空に繋がる世界に多くの友達が同じく生きているという感覚はとても大切なのだと思うのです。日本の社会では孤立と無関心が問題となり、世界に目を向ければナショナリズムと排他的な風潮が覆っている今日、その思いはより大きくなります。京都の私立幼稚園の子ども達が、世界が一つの家族のように笑顔の贈り物が満ち溢れる、そんな未来の大きな架け橋とならん事を願い、今後も園児大会が各地区において実施されます事を心より願っています。