巻頭言

新 年 度 を 迎 え て

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟 理事長 川名 マミ

 4月新年度が始まり各園では子どもたちの可愛らしい声が響いていることと存じます。
日本に四季があって良かったと、同じく幼稚園に四季があって良かったと毎年々々感じます。
また、皆様方におかれましては日頃より連盟の事業にご協力ご理解いただき誠にありがとうございます。心より感謝いたします。
今年度も各地区理事と一緒に丁寧に事業を遂行していく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、幼稚園にかかわる現状を見てみますと、国の新たな施策が次から次へと打ち出されています。幼児教育・保育の無償化や2歳児の接続保育等それぞれの園が今後の自園の進むべき方向性を探りながら適切に対応していかねばならない重要な事柄です。それに加えて従来より懸案の新制度に移行する、しないの選択肢も交えながら考えることも必要となってきます。保育園の11時間の無償化が現実化する中で幼稚園としてどのような選択をするのかを考えていかねばなりません。
 また、全国的に人材不足といわれている中、幼稚園教諭も同じ状況です。今後、各園はもとより連盟としてもこのことを念頭に置いて幼稚園で働くことの魅力をアピールしていくとともに処遇改善費の折衝を進めていくつもりです。各園におかれましても新任教諭が働いてみたいと思える職場づくりを今まで以上に意識していく事が大切になってくると考えられます。また、全日私幼では処遇改善費を国に求めていく中で今まで積み上げてきた研修ハンドブックを改良し、今年度から研修履歴が公式に通用する形を整えています。そして教員各自の研修履歴がキャリアアップの布石となるよう進めていきたいとの意向です。このことから処遇改善と研修履歴はセットとして考えられますので、各園におかれましても先生方一人一人の基礎資格として研修履歴を残すように留意していただきたいと思います。
 このような混沌とした中で私たちが最も大切にすべきことは今までの歩みの中で地域に認められた私立幼稚園としての役割を再認識して、幼児教育の質の向上に努めることに尽きるのではないかと考えます。連盟としては加盟各園の良さがより一層それぞれの地域で輝けるように研修・研究のより一層の充実を図ることを念頭に運営してゆく所存です。
また、行政の窓口ともしっかりと対話し情報の収集に務め、またさまざまな制度設計について協議していきたいと考えます。
 国の施策や方針は変わりますが、今こそチャンスとし、幼児教育に携わる各自が誇りをもって、今一度背筋を伸ばして私たちの宝・日本の宝である子どもたちを共に大切に育みましょう。そして将来の日本のために京私幼の皆様が更に一枚岩となり、「こどもがまんなか」の思いで「保育の質を」を大切にしながら、私たちの営みを検証することを怠らず共に邁進して行きたいと願います。