巻頭言

新採研夏期研修会を終えて

京都府私立幼稚園連盟 理事 田中康雄
理事 宮﨑佳子

 7月月報での報告通り、令和元年度新採研夏季研修会が、あうる京北にて7月22日~24日の3日間行われ、無事に終える事が出来ました。これもひとえに皆様の様々な形によるお力添えをのおかげであり、まずはこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。
 さて、今回は文教課下河信二先生による人権研修から始まり、佛教大学高橋司先生を招いてのパネルシアター制作、発表の演習、同志社女子大学笠間浩幸先生による砂場活動(実技演習は6月に実施済み)の振り返りと講義、NPO法人キャンピズ代表理事水流寛二先生によるあそびの講義やキャンプファイヤーといった、すぐ保育に使える具体的な技能や経験を身に着けつつ、講義を通して幼児教育にとって必要な“考え方”にも触れる事が出来る、内容の濃い、且つ新採の先生方にとってもわかりやすい研修プログラムが組まれ、実施されました。受講生である新採の先生方も全体的に真面目に一生懸命取り組んでおり、盛り上がるべきところでは大いに盛り上がり、良い雰囲気の中、研修が進められました。
 各園それぞれ新採の先生の事情は異なると思いますが、多くの一般企業が新入社員に対し、大なり小なり研修期間を経て仕事を任せていく事に対し、幼稚園の先生は社会人として1年目を歩き出した時から既に子どもに対して専門家としての責任を持って接する事を要求されます。幼児教育がその子の人格形成に与える影響の大きさを考慮すると、新卒の先生にもベテランの先生にも等しくその責任があると言えるでしょう。しかし、一方で経験が役に立つ仕事でもあります。新採の先生はその葛藤と戦いながらも、ただただ一生懸命真面目に頑張っていくしかないと私は思います。やがてその姿勢が子どもに、保護者に、同僚の先生に伝わって先生として独り立ちしていく、といったプロセスは誰もが避けては通れない道でもあると思うのですが、それは日々の保育だけでなく新採研にも同じことが言えます。今回の夏季研修会では冒頭に、沢山の先生方が異口同音に一生懸命取り組むことの大切さを伝えて下さいました。その思いが届いたのか、誠実に一生懸命研修に取り組みつつ、和やかな雰囲気が流れていた事を非常に嬉しく思います。
 同時に、今回は運営委員の先生方に受講生の生活面での世話やキャンプファイヤーなどのサポートだけでなく、グループディスカッションに入ったり、パネルシアターの具体的なアドバイスをしてもらう事もお願いしました。人にものを伝え、後輩を導くといった観点や、講義そのものの面白さなど、お世話になった運営委員から自身にとって好意的な反省点が多く挙がったことも、新採研の持つ意味として重要な点であると感じています。
今年度の新採研は残り2回、そして来年度も続いていく新採研を実り多いものにしていけるよう、皆様のご協力とご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い致します。