輝く瞬間

【輝く瞬間】 2020年 7月

相愛幼稚園 足立 淳子

 こどもたちのいない園庭の花々が桜からハナミズキに変わり、もはや紫陽花がその彩りを放っています。六月になりようやく可愛い笑顔が声が戻って参りました。

 五月の或る日、がらんとした保育室に響く先生の声。「◯◯ちゃん、お家でげんきにしてますか?」そのあとの会話はお母さんとの話が続き、その後園児と話してる様子が伺えました。初めはトーン低めで恐る恐る、子どもの声を聴いた途端ハイトーンに。「センセー、◯◯ちゃんの元気な声を聴くことができてうれしいなぁ」声の調子の変化に嬉しさが滲み出ていて心が動きました。子どもたちのいない幼稚園がどんなに淋しいか、早く主役が戻れます様に祈る毎日でした。後にお母さんたちのお話を聞くと、こどもたちも先生の声を聞いて一気に幼稚園の事を思い出しとっても嬉しそうだった様です。なんとなく固くなりつつあった先生達の心をほぐすのは子ども達の存在なのだとつくづく感じた一コマ。信頼が土台の素敵なつながりをイロイロな波を越えながら守っていきたいと思ったキラキラした一瞬でした。