輝く瞬間

【輝く瞬間】 2015年 4月

さつき幼稚園 堀内 清志

 秋晴れの朝、日直の先生が園庭の落ち葉を掃いている所に園児たちが寄り集まって、先生に何か話しかけていた。何気なく廊下から園庭のその様子を眺めていた私に、突然、園
児たちが駆け寄ってきて「園長先生、落葉でお芋を焼いて欲しい。先生が、園長先生に頼んでおいでと言わはった」、私は「よし分かった」と即答した。園児たちは自分たちの思い
が叶ったことに大喜びで先生のもとに報告しに戻った。
 先生の、落葉でさつまいもを焼いて美味しく食べた記憶が蘇ってきたところへ、園児たちが「先生何しているの」と寄ってきたのだろう。「落葉を集めているんだよ。ここにお芋
さんを入れて焼いたら美味しいよ」「入れて焼いて焼いて。食べたい」こんな会話があったのだろう。
 園長先生が落葉で焼芋してくれる。そんな噂が広がってか、園児たちは手に手に集めた落葉を差し出して、「これでお芋焼ける」と私に持ってくる。「もっとたくさん集めて」「わかった」と駆け出していく。