輝く瞬間

【輝く瞬間】 2021年 6月

京都幼稚園 松田幸恵

 少しずつ園生活に慣れてきた五月。年少組のクラスに入ると、「先生、私、今日給食ぜーんぶ食べたよ。」と、誇らしそうな女児。また別のクラスに入ると「ぼく、着替えができて、ボタンも全部自分でとめられた!」とにこにこ笑顔の男児。この間まで、「食べたくない。」「できない。」と言っていた二人は、そこにはいませんでした。

 「食べようね。」「やってみようね。」ではなく、自分で「食べてみたい。」「やってみたい。」そう思った時の子どもたちの進む力の大きさは、びっくりするものがあります。
幼稚園という集団の中で得られる力の大きさも感じます。一つできた自信は、次に踏み出す勇気にもつながるでしょう。自分から表現することが苦手な子もいますが、形は違えど、どの子ももっている好奇心や、やってみたいという意欲を引き出し、支えられるような教師でありたいと思います。

 日々の中に、一人ひとりの積み重なっていく成長の瞬間があります。そんな瞬間を一緒に喜び合い、かけがえのない今日を、子どもたちと共に過ごしていきたいと思います。