輝く瞬間

【輝く瞬間】 2022年 4月

さつき幼稚園 園長 堀内清志

 園庭での自由遊びの時間が来ると、仕事を放りだし、園庭に一歩を踏み出す。職員室にいては聞こえない園児の元気な声が飛び込んでくる。所狭しと思い思いの遊びに興じて走り回っている。一通り見て回る。途中で捉まって遊びの中に入ってしまうこともよくある。

 園長先生見て見て「縄跳び出来るようになったよ」「鉄棒出来るようになったよ」。園児たちは自分が頑張って出来るようになったのを今見て欲しいと私を引っ張りまわす。その一瞬一瞬の私を見る園児たちの瞳が輝いている。砂場の縁に腰を下ろそうものなら、私の周りには料理がいっぱい届く。「ありがとう。もうお腹いっぱいだからコーヒーをお願いしようかな」と 幸せの一瞬である。

 朝の日課である玄関のお迎え、まれに立てない時がある。園長先生がいないと言って泣く園児がいる。翌朝私を見つけると目を輝かして、駆け寄ってくる。「園長先生私髪切ったの」「可愛くなったよ」「園長先生、今日帰ったらおばあちゃんちに行くの」「 それは楽しみだね 」。この会話の時の瞳の輝きも好きである。現場は私にとって輝きの宝庫である。