絵本の紹介
「クマとこぐまのコンサート」作者 デイビッド・リッチフィールド 出版社 ポプラ社
森の中でこぐまが見つけた古いピアノ。「もうピアノひかないの?」そんなこぐまの言葉にクマのブラウンは悲しい顔。昔、パパがピアニストとして世界中で活躍し、大スターだったことを知ったこぐまは、パパを喜ばせるためにあることを思いつきます。大好きなパパのために頑張る一生懸命なこぐまの姿と、仲間想いの動物たちがおこす一晩の奇跡は、心暖まる感動ものです。
相手を思いやるこころがたくさん描かれた愛が溢れる素敵な絵本です。
京都カトリック信愛幼稚園 仲上 和花
「つかまえた」作者: 田島 征三 出版社:偕成社
躍動感溢れるダイナミックなタッチに絵本の世界へどんどん吸い込まれます。川に落ちてでも体ごとで捕まえた大きな魚の手ごたえが嬉しくて抱きしめたまま眠ってしまう男の子。気が付けば瀕死の状態の魚にびっくり! 何とか助けたい必死の思いで水に濡らそうとして逃がした魚は息
を吹き返し川の中から元気に飛び跳ねてみせます。
その姿に男の子は何とも言えない満面の笑み。強さだけでなく命あるものへの愛しさが伝わる心に響く一冊です。
同志社幼稚園 逢澤久美
『オニのサラリーマン じごくごくらく運動会』富安陽子 文、大島妙子 絵、福音館書店
おなじみ赤オニのサラリーマン、オニガワラ・ケンが運動会に臨みます。
オニガワラは赤・じごくチーム。
対するは白・ごくらくチーム。オニ、ほとけさん等、個性あふれるキャラクターと共に、ドタバタの競技を繰り広げます。一進一退の勝負のゆくえは…?
勝ち負け関係なく、体を動かし・心を合わせることの楽しさを改めて感じました。こどもも大人も楽しめる、スポーツの秋にふさわしい一冊です。
認定こども園紫野幼稚園 渡邊大修
「おつきさま こっちむいて」 片山令子 作 出版社 福音館書店
いつもお月様を見ている男の子。
お月様に話しかけて、友達になりたいのかな?
細い細いお月様や、まん丸のお月様を素敵な言葉で表現しています。
自分も小さい時、どこまでもついてくるお月様を、不思議に思っていたことを思い出しました。
夜空を見上げたくなる一冊です。
睦美幼稚園 中村 眞弓
「まんぷくよこちょう」 ながさわ くみこ作 ぶんけい
おじいちゃんのおうちの近くにある「まんぷく横丁」。
毎月29 日は「ふくのいち」の日。おじいちゃんと孫の女の子が昔ながらの商店街に買い物に出かけるお話です。
お惣菜、おでん、タヌキ菓子や駄菓子。試食をしたり福引をしたり。
1軒、1 軒の店での様子の描写は商店街の雰囲気や人情が細かく伝わってきます。
どこかで見たことのあるような昭和の懐かしさも感じる素敵な横丁。読者のお気に入りの味も見つかるのではないでしょうか。
おいしいものがちりばめられ、絵探しの楽しさもある1 冊となっています。
葉室幼稚園 赤井 静代
「トマトさん」田中清代 作 出版社 福音館書店
この絵本と出会ってまず目を引くのは、大きなトマトさんの個性的な表情ではないでしょうか?
それに惹かれてページをめくっていくと、暑い夏の日の出来事に、どんどんと引き込まれていきます。
ページごとにいろいろな表情を見せるトマトさん。仲間のおかげで無事に水に入ることができた時の最後の顔は、とても気持ちよさそうで、夏の空気
を思い出させてくれる1冊です。
嵯峨幼稚園 村川 友美
「ツバメのたび」− 5000 キロのかなたから− 作・絵 鈴木まもる 偕成社
日本から5000キロ離れたマレーシアの森の中から、日本へ向けて飛び立つ1羽のツバメが壮大な旅をし、日本に到着してから、つがいになって子育てする様子が描かれた絵本です。
ツバメの視線から描かれる風景がとても素晴らしく、一緒に空を飛んでいる気分になれます。ツバメが子育て真っ盛りのこの季節に、子ども達に読んであげたい一冊です。
其枝幼稚園 杉下 惠子
「ねぼすけスーザのおかいもの」 広野多珂子 作 福音館書店
ねぼすけのスーザはちょっとやそっとでは起きません。ある日早起きしたスーザはお金が入った袋を握りしめ市場に買い物に出掛けました。可愛いお人形を見つけても「がまん。がまん。」桃色の帽子も「がまん。がまん。」
すると通りを進んで綺麗な椅子を見つけましたがお金が足りなくて買えませんでした。困ったスーザは、道に捨ててある椅子を見つけ、赤いペンキで素敵な椅子を作りました。そしてなんとその椅子はおばあさんへの誕生日プレゼントだったのです。ねぼすけスーザの素敵なプレゼントに心温まる一冊です。
清水台幼稚園 中井 愛
「さくらがさくと」とうごうなりさ 作 出版社 福音館書店
舞台は川沿いの桜並木。
桜の木が芽生えてきます。小さな芽はやがてつぼみに、そしてピンク色の花へと…。
春が訪れたようです。
鮮やかな四季の移ろいを感じほっこりとした気持ちになれる絵本です。
最初と最後のページの対比では、季節の変化に無頓着な大人の中にあって不思議そうに立ち止まる子どもの感性が際立つ作品となっています。
八条幼稚園 大槻紗夜香