巻頭言

新制度への移行に関する意向調査について

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟
理事長 藤本明弘

 平成26 年9 月17 日( 水) に政府の子ども・子育て会議( 第18 回会合) が開催され、来年度から始まる子ども・子
育て支援新制度について、文部科学省が7 月に全国の私立幼稚園と認定こども園を対象に実施した新制度への移行等に
関する意向を取りまとめた調査の結果が公表されました。

 この調査によれば、(回答した幼稚園6,805 園)
  27 年度に新制度へ移行する→795 園(11.7%)移行する方向で検討中→ 710 園(10.4%)
  27 年度に新制度に移行しない( 検討中を含む)→ 5,300 園(77.9%)この5300 園のうちで
  28 年度以降新制度に移行する方向で検討中→878 園(12.9%)
  28 年度以降新制度に移行するかどうか状況により判断→3,341 園(49.1%)

 ・27 年度に新制度に移行すると回答した幼稚園のうち
  認定こども園となって移行することを希望→825 園(12.1%)
   幼保育連携型428 園、幼稚園型368 園
  幼稚園のまま移行することを希望→585 園(8.6%)

 ・幼保連携型認定こども園については、(回答した535 園)
  新制度に移行する→458 園(85.6%)

 ・幼稚園型認定こども園については、(回答した391 園)
  新制度に移行すると→355 園(90.8%)

 ・幼稚園として小規模保育事業等の実施を希望または検討中→1397 園(24.5%)

  以上のような結果でした。

 ちなみに京都府内の意向調査結果も近日中に発表される見込みですが、大半の幼稚園が状況により判断するか、現時
点では移行予定がないという結果となるのではないでしょうか。その主な理由としては、言うまでもなく京都府にはど
の都道府県よりも高水準で安定した私学助成の基盤があり、現時点で多くの幼稚園において新制度に移行するメリット
は見当たらないからです。
 しかしながらその一方で、私立幼稚園ファン層が年々減少し、保育所に流れている現実を無視することが出来ないこと
も明白です。今のままでは将来の保護者の大半が保育園出身者という構図になります。質の高い教育・保育を担保する
ためにも、この流れにどのように向き合うのかが、今後の京私幼連盟にとって極めて大切な課題であることは言うまで
もありません。これからも一枚岩となりつつも各幼稚園の将来設計が求められているのです。今後ともご理解・ご協力
の程何卒よろしくお願い申し上げます。