輝く瞬間

【輝く瞬間】 2012年3月

北野幼稚園 園長 池田 智子

 四月、満開の桜に囲まれスタートした一年もいよいよ集大成を迎えようとしています。京都の街を彩り、華々しく花を咲かせ、萌え出る若葉のエネルギーの勢いは、まさに幼子の成長の様です。

 本園では一年を通じ月に一度、自園所有の鞍馬北自然観察林に出掛け、労作活動、自然体験を行っています。電気もガスも水道もない大自然。木々の薫り、優しい日だまり、そよぐ風、そして静かな川のせせらぎは心も身体も解放してくれます。緑いっぱいの自然の中、一人一人が主役となり誰にも教えられる事なく遊びを展開していきます。自然との共生共存です。真剣に遊び込むその姿は逞しく、一瞬、一瞬、輝いた瞳をしています。

 幼児期の空洞化は将来の子ども達に多大な影響を与えます。子ども達が本来、持っている力や輝きを大人が阻害する事なく、感性、可能性を豊かに育む重要な責務を担っています。人として生を受けた以上、立派に大輪の花を咲かせて欲しい。生きがいのある人生、喜びのある幸せな人生を歩んで欲しいと願います。

 卒園を迎えた今、子ども達の生涯の幸せを祈り、笑顔で送り出したいと思います。