輝く瞬間

【輝く瞬間】 2012年6月

寺西幼稚園 園長 寺西 正毅

「あら尊 青葉 若葉に 日の光」
 山々は青葉若葉で活気に溢れ、澄み切った青空には、こいのぼりが元気に泳ぎ、園庭では溢れんばかりの笑顔と、張り裂けんばかりの鳴き声が響き渡る、眩しくて初々しい年度初め。

毎年この時期、耳にする可愛い言葉。
「・じ・ぶ・んで…」
 ピカピカの年少さん、一つお兄さんお姉さんになった進級組さん(年中さん、年長さん)。学年が上がったから……、そんな自覚が運んでくる一声なのでしょうか?
「そうだね。それではお任せしましょうか……。でも、やっぱり気になる!」
 そこで、お目々をチカチカ光らせて。
「エッ! ヤッパリ! これが自分で……と言ってやってくれたこと!?」
「ウーン、どうしよう、手を貸してもう一度やろうと言おうか? イヤイヤ、頑張ったんだから、褒めなくては?」
 毎年毎年、迷っています。自立しよう、自分でしなくてはと肩に力をいっぱい入れて頑張る子ども達に、なんと声かけしようかと、今年も迷っています。何もかも、ピカピカブカブカ、泣いてはならぬと頑張る子ども達。
 一年でもっとも可愛い時期ではなかろうかと、目を細め、言葉を探している私です。