輝く瞬間

【輝く瞬間】 2016年 6月

京都幼稚園 深澤素子

 

 惠の雨を受けて園庭の花や野菜がぐんぐん成長してきました。
花や野菜と共に草やわき枝も同じように伸びてきています。花をきれいに咲かせるため、作物を大きく育てるために剪定やわき芽を摘んでいかなければいけないという事で、草を抜いていました。その様子を見ていた園児が、お手伝いのい来てくれました。草を抜いている様子を見て「先生はどうやって抜く草と抜かない草を決めてるの?」と質問をしました。確かに、私が抜こうとしている草にも小さな花がついていました。トマトはちいさいけれどもたくさんも実をつけています。どの草、どの芽を抜くなんて選ぶ事はできないのだと答えに詰まってしまいました。「僕のおじいちゃんは草抜いてそのまま放っとかはる。そしたらまた土にもどるんやで」「ぞうのうんちも土に還るって言うてはったやん」子どもがいろいろな話を始めました。

 雑草は10万年前の氷河期に氷河によって傷ついた不毛の土地を生きた肥沃の土地にもどす為に発生したと聞きました。きれいな花を咲かせるためには、取り除いていく事も必要であるということ、あらゆるもののおかげで生かされて存在しているという事。どんなものにも大切な役割があるという事を、自然の中で、自分の目で観察しながら気づいていける環境を整えていきたいと思いました。
子どもが帰ったあと、掃除をしていると、植木鉢にちいさな青いトマトの実が並べてありました。優しい気持にうれしくなりました。