輝く瞬間

【輝く瞬間】 2016年 9月

京都きらら幼稚園 池野亮光

 
 「夏」、つよい日差しのもと、プールから子どもたちの歓声が聞こえてきます。輝く銀色の水飛沫が子どもたちの肌の上で踊っています。普段の保育以上に、子ども同士の関わり合いが活発なような気がします。水が子どもたちをやさしくするのでしょうか、それとも水への怖れがそうさせるのでしょうか。ひとつの水の中で生まれる、友だちどうしのいたわりあい、助けあい。深く透明な、水への畏怖があって、小さな人間関係が結ばれていきます。
 「夏」、戸外でのダイナミックな遊びが展開されます。十全な注意を払っていても、怪我のない幼児生活ってあり得ません。切れば血が出て、打てばたんこぶができる。時には、からだの痛みを通じて、自然の摂理を学ぶことだってあるでしょう。怖さや痛みを避けるのではなく、その感覚を素直に気づくことから「私の発見」が始まります。
だからこそ、「夏」はいつも偉大なる学びの季節です。人としての成長を貫く、たいせつな気づきのはじまりを育てる季節ではないでしょうか。