輝く瞬間

【輝く瞬間】 2020年 4月

聖ドミニコ学院京都幼稚園 安達 徐

 卒園式の返事

 この原稿を書いているのは三月七日です。
卒園式は制限を加えながら実施しようと思っています。今年度の卒園生は個性溢れる子どもたちが多く豊かです。しかし、個性とはあ
る意味で他との調和が難しく、時に双方に苦しい場面もあります。緻密に室外機の絵を毎日のように描いている子、じっと座っている
のは難しいが、興味のあることには目を輝かせて聞き、劇の発表の時のセリフなどは人を感動させる感情を表現します。又卒園式練習
の賞状授与で名前を呼ばれたとき、一人の子が何かとても心に沁みる返事をし、壇上にいる私は感動で一杯になります。その子に「A
君のお返事は心に沁みますよ」と言いましたら「心に沁みる」ってどういうこと?と聞いてきました。「先生の心の中にA君が入ってくる」っていうことです。覚えておいてね!!といいましたら、じっと考え込んでいました。常々「心の中にいつも神様がいてくださいますよ」と言っていましたので、混乱を与えたのかもしれません。もっとわかりやすい説明をもう一度しようと思っています。

 子どもの感性は人間の心を射るものがあります。