輝く瞬間

【輝く瞬間】 2020年 11月

東山幼稚園 園長 塩貝省吾

 先日、実家に帰省中、車窓から見えた秋桜の美しさに心惹かれ、車を止めた。赤色白色ピンク色、どれも綺麗で美しい。それぞれが、それぞれ色に一生懸命輝いて、みんな素晴らしい。

 花は自身で美しく見せようと考えて咲いているわけではないが、自分色に咲く花は、それだけで美しく輝いている。私たちは、自分の好みで、あの花は好き、この花は嫌い、と選別してしまいがちだが、それは私たちが自分のフィルターで見ているから。
花はいつも変わらずキラキラと自分色に輝いている。私は、ハッと立ち止まる。子供たちは、いつもどんな時も、どんな子供も、それぞれの個性を精一杯輝かせている。しかし、それを見ている私たちは、知らず知らずに、大人のフィルターで子供たちを見比べていないだろうか。フィルターを外し、真実の眼で子供たちに接し、輝く姿に気づくことの大切さ。秋の風にゆらゆらと、楽しそうに揺れる秋桜の情景が、子供たちの笑顔と重なった。