輝く瞬間

【輝く瞬間】 2023年 10月

岩倉幼稚園 園長 田中 忍

 昔ながらの秋の運動会へ向けての取り組みが始まりました。普段何気なく使っている「前にならえ」の言葉がモヤモヤします。これは兵制から軍隊を思い浮かべるものとして想像してしまうからです。世界が不安定である状況の為、この無意識に使っている「言葉」は指導か? 将来の日本の為か? まで、おおごとにはしたくないと思いつつモヤモヤするのです。そもそも指導とは良い考えに導くもの。
「前にならえ」の良いことは何か? 私には子どもに答えられない。この「前にならえ」の言葉の間に私は手をあげたり、地面に下げたり、横に広げたりして子ども達の反応を見ます。真面目な子は「間違ってるよ」と「教えて」くれます。反対に笑いながら同じ動きをしたり、じっと考えている子もいます。でもその子たちこそ、周りに流されない小さな一筋の光があるように思います。先生たちの冷たい目が私に集中しますが、率先して私が間違ったことをすることで、子ども達はゲラゲラと笑いながら楽しんでいます。この笑顔のまま大人になれば、世界が少し良くなると感じるのですが・・・