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【新連載】3 回シリーズ(3)

 「幼少期の間にしておくことが,今後につながる。」

京都市立開睛小学校 河田 理江

 「グー チョキ パー で グー チョキ パー で 何作ろう~ 何作ろう~♪」日本の幼稚園・保育園では,この歌に指遊びが付く。私が過ごしていた,ベナン共和国では,この歌が遊び歌ではなく,決まり歌になる。「アレ~エコール アレ~エコール オン トラバイ オン トラバイ♪・・・」(学校に行こう。しっかり勉強しよう。怠けてはいけない。しっかり勉強しよう。)この歌を幼稚園の子ども達が,園で歌っている。さらに,家で口ずさんでいる。この1つの歌を例に挙げたが,日本では,この他にも幼稚園・保育園で指を使った指遊びや指先を使った
創作活動をする事が多い。だから,小学生になった時に,折り紙の端と端をそろえて紙が折れるし,鶴を折ることもできる。はさみを使って上手に円を切ることもできる。しかし,ベナンの幼稚園では,指先を使った活動がほとんどない。だから,小学生に切り紙を教える為に,「紙の端と端を合せて三角に折りましょう。」と言った時もきれいに折ることができなかったのだ。担任の先生ですら上手に紙の端と端を合わせて折ることができなかった。指先には,末梢神経が集中していることから「第2の脳」と言われることがある。指先の運動は,脳にも刺激を与え,子どもの成長・発達を促す。日本の子ども達は,幼少期から指先を使ったたくさんの経験をしているから,大人になっても,細かい作業を簡単にすることができるのである。
 逆に,ベナン共和国の人々は,リズムに乗って踊るのが得意で,音楽が流れるとみんな踊れる。小さな子どもでも恥ずかしがることなくみんな自分でリズムをとって踊る。体育の時間に,担任の先生が「次は,だれが踊る?」と聞かれるとみんな手を挙げ踊りに来る。中には,身の回りにあるもので楽器を作り,音楽を奏でている子どももいる。日本の子ども達に「次は誰が踊る?」と聞いても,前にでてくる子どもは少ない。みんなの前で踊るとなると恥ずかしがって踊れない。しかし,ベナンに至っては,最後に,先生も踊りだす。この国で,踊りというのは家庭で教え,地域で教え,学校でも教える。だから,リズム感があるし,陽気なのである。
 このことから,幼少期にどれだけどんな経験をしているかによって得意なことに偏りができる。どちらが良いとは,言えない。ただ,言えることは,幼少期に学校や家庭で教えることが子ども達の未来にそのまま続くということだ。だからこそ,自分の目の前にいる子ども達にとって今,必要な力は何なのか?何を身に付けさせたいのか?ということを指導者がぶれてはいけない。どれもできない子どもになってしまう。新しい教育法ばかりを探していくので
はなく,日本の先人が伝え続けてきてくれた教育法を生かしつつ,目の前にいる子ども達と向き合った指導法を見つけていくことが大切だ。