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【新連載】3回シリーズ(3)

子どもと言葉と英語教育(3)

福岡女学院大学 人文学部 現代文化学科(准教授)能勢 卓

  今月で私が担当させていただいた連載記事、「子どもと言葉と英語教育」は最後になります。そこで今回は、児童英語教育を行う上で注意しておくべき点を確認した上で、実際に幼稚園年長の子どもたちに実施した授業を例にとりながら、幼稚園の児童を対象とした英語教育における授業の組み立てについて考えてみたいと思います。
 前号の記事で触れましたように、まず児童が理解できると思われる内容から導入し、そこからいかにプラス・アルファを積み上げていくかが一つ目のポイントとなります。そしてもう一つ注意すべきポイントとしては、クラッシェンの指摘する「学習」から「獲得」への展開が重要であると考えられます。それはつまり、りんごの絵を見て、「りんご」という日本語は英語の「学習」という状態から、りんごの絵を見て、自動的に的に言葉を処理できる「獲得」のレベルへと引き上げていくことが大切です。そして三つ目のポイントとして、授業プランの作成においては、まずテーマ(= ねらい) を決めた上で、そのテーマにおいてターゲットとなる単語と文構造(言い回し)を設定し、その上でそれらの単語や文構造を児童に発話させるためにはどのような活動を行えば良いかを考え、そしてそれらの活動を児童にとって分かりやすいものから難易度の高いものへと展開していくように配置していくようにプランを考える必要があります。

 私が2013 年度にアドバイザー的に関わらせて頂いた幼稚園の年長児(5歳から6歳の児童)のクラスでの一つの授業を、今回は一例として取り上げてみようと思います。その時の授業のテーマは「家族」であり、と自然と返答出来るようにすることがターゲット表現として設定されました。そこで実際の授業展開では、まず最初絵カードを用いてターゲットとなる単語を導認識できていない状況でした。そこでターゲット語となる人物のイラストをスマートボードに提示し、例えボード上に丸をつけてもらい、「おばあさん」がら、児童には各自の教科書に描かれたイラストを指でポイントしながら、それぞれの単語を声に出して発話するように指導しました。単語レベルの理解を促した童が単語だけを言って答えているのを、常に教員がへと児童を導き、これらの発問- 解答を何度も繰り返し、するようになりました。このように家族というテーマのもとで、必要となる単語レベルから文レベルの表現を難易度の低いものから高いものへと展開するように
活動を配置して児童自身の発話を促すことで、英語コミュニケーション能力の育成が取り組まれました。