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【新連載】3回シリーズ(1)

特別支援学校のこどもたち(1)

京都教育大学附属特別支援学校 小学部主事 小坂眞由美

 筆者が勤務している支援学校には、知的障がいがある、小学1年生から高校3 年生までの約70 名が在籍しています。学校は伏見桃山城の北側、住宅街の谷間にあります。周りを竹藪や林に囲まれた、自然豊かなところです。春には裏山の竹林(「たけのこやま」と呼んでいます)にたけのこが顔を出し、子どもたちが掘って、校内にある屋外調理場でゆで、たけのこご飯を作って食べて新入生歓迎会を開きます。夏はブルーベリー、秋は栗や柿、冬はみかんが成り、収穫して食べたり、ジャムにしたりします。校内には小さい田んぼもあり、高等部の生徒が餅米を栽培しています。できたお米は全校でのもちつき大会でお餅にして食べます。校内には他に、椎茸のほだ場があり、植菌から栽培、パッケージ、販売まで、年間を通して高等部の生徒が協力して管理しています。

 中学部や高等部の生徒は、たけのこ山に登るための階段を、杉の間伐材を使って作ったり、校内のあちこちに花壇を作って花を育てたりもしています。小学部の児童は、その階段があるから、けっこう急な斜面のたけのこ山でも登ることができるのです。小学生はお兄さん・お姉さんに「作ってくれてありがとう」と感謝し、それをとおして中・高等部の生徒は自分たちの作業が、誰かの役に立ち、喜んでもらえた、という達成感・満足感を得ています。

 さて、小学部の子どもたちは「あそび」を中心とした取り組みをとおして学習をしています。知的障がいがある子どもたちは抽象的なことが苦手なので、実際的な場面で、具体的な取り組みをとおして考えたり表現したりすることができるようになっていきます。しかし、子どもたちは、自分にとって必然性の低いことには当然ながらあまり興味を示しません。「おもしろそう!」と思えることが、子どもの主体性を引きだし、自主的に取り組むことにつながります。

 たとえば、6月に行う「スライダー」は、芝生の斜面に防水シートを何枚か敷き、水を流して幅2m、長さ5m~ 20 mほどのウォータースライダーをつくり、滑ってあそぶ題材です。水の感覚が心地よく、スピードも出るので楽しくて何度も斜面を登っては滑ります。

子どもたちにとっては楽しいあそびですが、この中に「斜面を登る→体づくり」「滑る→姿勢を保つためのバランス感覚、スピードを調節する力、安全に対する感覚」などの学びの要素がたくさん含まれています。また、防水シートは幅が広いので、先生や友だちと2~3人で横に並んで滑ったり、縦に一列になって滑ったりします。自分から友だちを誘ってあそぶことや、人と関わりあうことが苦手な子どもたちにとって、「友だち(人)と一緒に」楽しむことを学ぶ時間でもあります。また、「スタートの合図を聞いてから滑る」「シートの外側を登る」などの約束やルールを守ること(社会性)も学習内容の一つです。

 スライダーを一例に挙げましたが、どの授業でも同様に、子どもたちが楽しめる活動を中心に授業を作っています。