新連載

【新連載】最近読んだ絵本から   4回シリーズ(4)

京都ノートルダム女子大学 現代人間学部こども教育学科教授 神月紀輔

 最近、「ころべばいいのに」というヨシタケシンスケさんの絵本を読みました。

 なんとなく、疲れていたのでしょうか。イラっと来ることが多い今日この頃で、題名で、すごく引き寄せ
られました。

 ヨシタケシンスケさんの本はとても大好きで、「ボクのにせものをつくるには」では、本当にそういうロボット売っていないかなとか、「あきらがあけてあげるから」は小さいころにすぐに手を出そうとした思い出がよみがえってきていました。ネタバレはいけないので、最小限にとどめておきます。

 最近、イライラすることが多いです。きっと今までに比べて、心に余裕がないのでしょうね。今日も雨が降っていたのですが、前から私より少し年配の団体さんが大勢でほとんど歩道の幅を占領しながらこっちに歩いてこられていて、すれ違いたかったのですが、傘が当たってその柄が顔にもろにあたるという事態に見舞われました。誰が悪いわけでもないのですが、つらくなりました。しかも目的地に到着したら急に晴れてきて、「あーなんかついてないな」と思っていました。そういえばここのところ電車に乗っては事故で止まることも多く、果物を買ったらすぐ近くで同じものが半額で売られていたりと、いやほんと、こういう時は続きますよね。

 そんな時、うちの娘(小2)が図書館で「ころべばいいのに」を借りてきていまして、そういうのはダメなのですが、そういう気持ちになりまして、思わず一気読み(というほどの分量ではないですが)してしまいました。

 ヨシタケシンスケさんの本は、本当に子どものある