新連載

【新連載】生活と絵本を紐付けて…行事と絵本   4回シリーズ(3)

絵本でSDGs 推進協会代表 朝日 仁美

 4回シリーズのコラムも折り返しとなりました。
 絵本を通じてこのように多くの方と紙面上ではありますが、交流できることに感謝しています。
 今回も「何を読もうかなぁ?」と思っている方へのヒントになればと思って書かせていただきます。

今回は「天気と絵本」について書こうと思います。

 先日も今までに無い寒波がやってくると報道され、皆さんもその対応に追われたのではないでしょうか?私の住んでいる場所は雪の降る地域ではありますが、寒波と聞くと最近の一度に降る雪の量が恐ろし時もあるので身構えます。いつも雪が降っても積もらない地域だと突然の降雪は非常事態。そして積もりでもしたら身動きが取れなくなり…不自由なことばかりかと思います。しかしこんな時こそ「雪」が出てきる絵本を読んで雪国気分を味わってみてください。私は雪の降り始めに『はつゆき』(岩崎書店)から読み始めます。初雪を降らせるために夜中に湖で空からこぼれ落ちた星屑を集めたり、森の奥で光るコケを集めたりして準備します。夜明けと共に初雪が降り出す様子はなんと
も幻想的お話です。

 「雪が降る」と言ってもチラチラ降る雪もあればドカっと降ることもあり、このドカ雪が私たちの生活に支障をきたす訳で…『おおゆき』(鈴木出版)は大雪で車が1000台も立ち往生。そんな状況をそこに住んでいる人たちの思いやりある行動で渋滞に巻き込まれた人々を助け、大人たちの行動を見て子どもたちも手伝います。楽しい雪だけではなく突然脅威に変わる自然の力も教えてくれる絵本です。

 『ふぶきのみちはふしぎのみち』(アリス館)は小学生の姉妹が吹雪の日の登校途中に突如現れたしろくまとの楽しく不思議なお話です。絵本は体験できないことをその物語の世界から疑似体験できるところに魅力を感じのですが、まさにこの絵本が楽しい雪の日の通
学を体験できるお話です。

 雪に関してはこのほかにも、雪の結晶を写真で紹介するものや雪だるまが主人公の物語などたくさんあるので、この時期に探して読んでみてください。

空の絵本 雲の絵本

 空の絵本も探してみるとたくさんあります。『そらの100かいだてのいえ』(偕成社)は縦に開いて読み進める人気のシリーズのひとつです。冬のお話なのでぜひ今読んで空の上へ登ってみてください。お天気のことも想像しつつ、1から100までゆっくり数字も数えてみてください。最近私が読んだ絵本の中では『リジーと雲』(化学同人)がおすすめです。ちょっとせつないファンタジーですが見ごたえ、読みごたえがある作品です。

 『くもとそらのえほん』(PHP 研究所)は雲のことがよく分かる科学絵本です。空の探検家が監修をされている本で雲の名前や形を小さな子どもでもわかるように解説してくれています。これを読んだ後は間違いなく親子で雲談義ができるようになりますよ。
地球のことを知るチャンス!

 天気に興味を持ったら、地球にまで話を広げてみてください。

 『地球と天気の絵事典』(パイ インターナショナル)はめくって楽しみ仕掛け絵本です。30 ヶ所の扉を開きながら、地球と天気のことを12のテーマで学べます。10ヶ国語に翻訳された作品で大人が読んでも充分楽しめます。「火山」や「どうくつ」のページは冒険家になった気分で楽しめおすすめです。

 私たちの住む地球がどうなっているか知るとこで、今起きている自然現象を考えるきっかけになると思います。地球温暖化に関する絵本もありますので、興味が湧いたら大人も子どももどんどん知識を広げていってほしいです。