
ある町の消防署のすみっこに、ちびっこ消防車の「じぷた」がいました。火事の際には大きなはしご車が活躍し、じぷたの出番はありませんでした。じぷたは自分がちっぽけなことを悲しんでいました。しかしある時、小さな隣町で火事があり、狭い道でも通りぬけることのできるじぷたが出動しました。じぷたは見事に火事を消すことができたのです。そして気づくのです。自分には自分だけの魅力があることに。心があたたかくなるお話です。
浄福寺幼稚園 主事 菅原 好章
しょうぼうじどうしゃ じぷた| 福音館書店

雪が降っているよ、地面の中でクマが眠っているよ、木の中でリスが眠っているよ………
皆が目を覚まして鼻をくんくん、くんくん。皆が走り出す。「うわぁい、雪の中にお花がひとつ咲いているぞ」、寒く厳しい冬をじっと耐えて春を待つ命たち。雪の中に見つけた花は春の匂いでいっぱい!待っていた春の暖かさがほんわり。楽しい春の色。雪の中に凜と立つその花は希望に満ち光り輝いている。わかりやすい絵と文の中に命や自然の素晴らしさを感じる一冊です。
石田幼稚園 薮内庸子
はなをくんくん| 福音館書店

クレヨンがケースから跳び出して真っ白な画用紙に次々と絵を描いていきます。でもおやおや?黒色のクロくんだけ他の色から「絵がきたなくなるから」と呼ばれません。そんな時シャープペンシルくんがやってきて…。クロくんの気持ちになりながら読み進み最後には「ワァー!!」とビックリする結末が待っていました。クレヨンと一緒で皆違って当たり前、皆それぞれ良い所を持っている事を絵本を通して子ども達と一緒に改めて確認する事が出来る1冊でした。
洛陽第二幼稚園 中西智麻
くれよんの くろくん| 童心社

さくら保育園には、こわいものがふたつ。一つはおしいれ、もう一つは・・・ねずみばあさん。暗い、狭いおしいれに入れられると、誰もが「せんせい、ごめんね」と謝ります。ある日、お昼寝の時間なのに、さとしとあきらはおもちゃの取り合いをして、おしいれに入れられてしまいます。さぁ、その中で二人を待ち受けている冒険とは・・・
思いやりの気持ちが芽生え、勇気がわいてくる子どもの成長ファンタジー!
聖三一幼稚園 教諭 西浦 茉夏
おしいれのぼうけん| 童心社

ちいさな農場で暮らしているおじいさん。
大切に育てている5匹の動物たちのために、ある雪の夜、おじいさんがしたこととは……。
色彩豊かな絵と心地の良い文章に、子どもと一緒に吸い込まれていきそうになるしかけ絵本です。
登場する動物は誰? おじいさんの本当の姿とは?
夢の中にいるような世界を、わくわくしながら感じてみませんか。
聖ドミニコ学院京都幼稚園 教諭 並川 真希
ゆめのゆき| 偕成社

「昔、昔、あるところに、おじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。」と、日本昔話と言えばお馴染み、子どももよく知っている「ももたろう」。ですが、この絵本は言葉のリズムは聞き慣れたものではなく、独特の表現になっています。桃の流れてくる「つんぶく、かんぶく」、赤ちゃんももたろうの泣き声が「ほおげあ、ほおげあ」。「鬼が島の鬼が来て、あっちゃ村で米とった。」など、聴覚を刺激する音が大人にとっても魅力的。子ども達ももちろん、絵本の中へ引き込まれるかのように聞き入っていました。表紙からも感じ取れるももたろうの力強さ。ももたろうは鬼が島へ行き、無事に鬼を退治する事が出来るのでしょうか。昔話の良さがぎゅっと詰まった一冊です。
洛東幼稚園 森脇晴香
ももたろう| 福音館

あおぞら幼稚園のいも掘りは、雨で延期になってしまいました。かわりに子供たちは自分でおいもの絵を描きます。1つ寝るとむくっと大きくなって2つ寝ると・・・・6つねて、7つ寝るといっぱい大きくなって・・・どんどん紙を付け足して大きな大きな絵を描きます。
その大きさに先生も腰を抜かすほどびっくり!!
こんな大きなおいも、どうやって運ぶの?どうやってつかうの?おいもが船になったり恐竜になったり、バスになったり・・・・でもそのあと・・「お腹が空いたら食べちゃうの・・」とてんぷらや焼き芋大学いもにして・・みーんなお腹がポンポン。「ぶー、ぶあ~ん」おならが出て宇宙に飛び上がって遊泳です。「雲に乗って帰ろう・・・」とそれぞれ帰って行きました。
おいもから自由な発想が膨らまされ、どんどん楽しく、ワクワクさせてくれる絵本です。描いていた芋がいつの間にか本当の芋になり想像が広がる素敵な絵本です。マイナスのことがプラスに転じていく大切さと素敵さを学びました。
洛西花園幼稚園 山副智子先生
おおきなおおきなおいも| 福音館

仲良しのバムとケロが、おじいちゃんのおくってくれた組み立て式ひこうきで、いざ出発!!
たまねぎ山脈は、ゴーグルをしないと涙がとまらない。りんご山のほら穴は虫だらけ。
かぼちゃ火山は、50年に一度の噴火中。そらの上ではいろんなことがあるけれど、大好きなホットドッグを食べながらのたびは、とっても楽しそう。
気がつくと、いつのまにかバムとケロと一緒にぼうけんしているようなワクワクとした気分になります。
こんなそらのたび、できたら楽しいなぁ~と素直に思える1冊です。
さがの幼稚園 西村 郁美
バムとケロのそらのたび| 文溪堂

さかなは、幼なじみのかえるから広い世界のお話を聞きました。池の中から出ることのなかったさかなは、外の世界を見たくて仕方ありません。そこで、思い切って岸に飛び上がりました。しかし陸の上では、息ができず、動くこともできません。そんなさかなを、かえるがそっと池にもどしてくれました。水の中で輝くひかり、美しい水草、どこのせかいよりもうつくしいせかいが目の前にありました。さかなは、あらためて、今まで自分がいた水の中のせかいが本当にすばらしいところだと気がつきました。 私たちも他人のことを羨ましく思ったり、憧れたりすることがあります。この絵本を読んで、あるがままの自分、あるがままのせかいを受け入れることの尊さ、大切さを、やわらかい心を持ったこどもの時期に感じてもらえるといいなと思いました。
京都幼稚園 深澤素子先生
さかなは さかな| 好学社
洛北せいか幼稚園 篠田知江美

子どもが「パパはゴリラのように強くってかばくんみたいに楽しいんだ。」などと、お父さんのことをまるでヒーローのようにひたすら誉めていきます。そんなお父さんはパジャマにガウン姿の普通のおじさん。しかし、読み進め、最後のページを読むとパパとぼうやの愛でいっぱいになる1冊です。
うちのパパって かっこいい| 評論社