Topics

【輝く瞬間】 2017年 4月

高倉幼稚園 佐賀枝 夏文

わたしたち「おとな」は目的なしには行動ができません。それを「有為」と考えてもいいかもしれません。子どもは「おとな」のように何かのためにすることはありません。いうならば、「無為」であり、何かのためには行動しません。有為な「おとな」と「無為」な子どもというコントラストがみえてきます。
しみじみおもうことがあります。子どもたちを「有為」なおとなにすることがわたしたちの目的ではないとおもうのです。子どもたちの「無為自然」な姿に学び、少しでもココロを解放するよう導かれたいとおもうのです。歳を重ね自縛したコテコテのボクを解いてくれるのは、園児さんだと実感するときがあります。それはボクのココロが曇り、暗闇の中にいるときです。ココロに「ともしび」が灯るとき、その「ともしび」は眩いくらいに「輝く瞬間」でもあります。
園児さんが転がるように幼稚園の門をくぐるとき、陽春の輝きを感じます。この子らに自然を、そして大切な伝えるべきことをちゃんと残し伝えたいとおもうのです。

【輝く瞬間】 2017年 3月

光明幼稚園園長 田中 雅道

 ぼくの木
 「ぼく、この木、登れたんや。」
 嬉しそうな顔をして年長の子どもが近寄ってきました。多くの園で憧れの年長さんが登っている姿を見て、いつか登ってみたいという木があるのではないでしょうか。園庭にある木は、様々な形で子どもに語りかけます。
そのような誘い掛けに子どもは、いつか自分で克服できる日を夢見て生活しています。子どもにとってその木は、自分が登りたいとずっと思っていた木なのです。幼児期は環境による教育を行なうことが重要とされています。
それは園庭にある木のように、普通に存在しているだけのものが、一人一人の子どもにとって違う意味を持ち、違う働きかけをすることを重要視しているからです。
 小学校でも学校探検で校庭にある木を観察しますが、学習の一環として行われるため、先生は“葉の形”や“枝の付き方”などその単元の狙いに添った言葉かけをします。目的に添った学習をする小学校と、環境を通して学ぶ幼稚園では、園内にある木の意味も違っているのです。

【輝く瞬間】 2017年 2月

松尾幼稚園 日野 昭文

 1月中旬に大雪が降りました。翌日登園した園児は、残雪の多さに大喜びで、朝の支度もそこそこに雪遊びに夢中でした。 
 手袋をしていない子も「冷たい、冷たい」と手のひらを真っ赤にしながら園庭のあちこちから残雪を集めていました。
 お部屋に入る前に洗面所で「風邪をひかないようにしっかり手洗いとうがいをしよ
う」と言い合っていました。
 始業式で、「1月2月は、悪い風邪がはやります。たくさんのお友達が風邪をひくと、学級閉鎖と言って、幼稚園がお休みになります。風邪をひいてない人も幼稚園に来られなくなってお休みしなくてはなりません。大好きなお友達や先生とも、しばらく会えなくなるのです。風邪をひかないためには、外からお家に帰った時、必ず手洗
いとうがいをしっかりしましょう」とお約束しました。みんなしっかり覚えてくれていました。

【輝く瞬間】 2017年 1月

今宮幼稚園 岸 省子

 ♪朝の空を見上げて~今日という一日が~笑顔でいられるように~そっとお願いした~♪

 子どもたちが折り紙で「紙飛行機」を折りました。それぞれが自慢しながら、飛行距離を競い合う事になりました。寒さにも負けず園庭にくり出して歓声が上ります。
担任の先生は白いラインを引き、みんなで一斉に「エイッ」と飛ばすよう号令をかけます。♪飛んでいけ~飛んでいけ~♪

ところがヒョイっと手前にポトンと落ちる子。ちょっとだけ前に落ちる子。なかなか遠くまでは飛びそうにありません。それでもキャーキャーと楽しげな声は響きます。思わず園舎の二階からそれを眺めて、幸せな気持ちに浸っていた私は、次の瞬間もっと楽しい光景を目にする事になりました。
もう一度仕切り直しを試みた先生の掛け声で一列に並んで紙飛行機をエイッと飛ばそうとしたその時、冬の蝶々が一匹ヒラヒラ飛んで来ました。もう、子どもたちは紙飛行機を飛ばすのはそっちのけ、先生は懸命に声掛けをしますが、みんなは蝶々を追いかけてバラバラに走りだしました。
♪さぁ~こころのままに~365日♪。

 今年もそれぞれがのびのびと心豊かに大きくなぁれ!と願います。

【輝く瞬間】 2016年 12月

京和幼稚園 園長 疋田徹郎

 十二月に入りどこかあわただしさ感じるとともに、本格的な冬の到来を感じる季節となりました。

 先日、近隣の中学校から「生き方探究・チャレンジ体験」に訪れた中学生と一緒に動物園へ園外保育に出かけました。その日は、たまたまトラの機嫌が良かったのか、サービス精神旺盛で檻の中をウロウロして、ガラス越しに見ているこどもたちが、のけぞるぐらいの迫力で楽しませてくれました。そして多くのこどもが歓声をあげてはしゃぐ中、驚いて泣き出す男の子にひとりの女子中学生が声を掛けていました。「お姉さんも幼稚園の頃、怖がりで、泣き虫やったんやで。でもな、そんな時いつも先生が、どうしたん、大丈夫やで。と言って、ぎゅっと抱きしめてくれたから、すぐに元気になれたよ。だから、今日はお姉さんがぎゅっと抱きしめてあげるわ。」すると、泣いていた子は「お姉さん先生だ~いすき。」と言って笑みを浮かべました。久しぶりに再会した、卒園児のそんな姿に成長の喜びを感じた瞬間でした。ちなみに、彼女の将来の夢は、嬉しいことに「幼稚園教諭」だそうです。

【輝く瞬間】 2016年 11月

向島幼稚園園長 森 美樹

 オリンピックイヤー!幼稚園でもその熱戦に負けじとも劣らない、声援いっぱいの運動会がありました。ずっと広い会場をお借りしていたのですが、今年はウッドデッキを活かし、慣れ親しんでいる園庭で実施しました。

 子どもたちの力の入った瞬間、友だちの中にいる嬉しそうな表情を何処からでも観ていただきたく、観覧場所全てを『応援席』と命名してみました。3歳児はお家の方をずっと目で追い、喜んで手を振っている間に列から外れてしまうという状態になるのですが、5歳児になるとお家の方がどれだけ必死になってももう手を振り返したりはしません。ほんの一瞬親子のアイコンタクトで「ここだよ、がんばってるよ」と示すことができれば、あとは真剣な眼差しで皆の中の一員として役割を果たします。そのような成長を感じていただきながら、大きな行事である会場全体が一体感溢れる運動会を終えました。

 季節が移り、これから迎える冬、心あたたまる子どもたちの輝く瞬間にどうぞ沢山出会えますように。

【輝く瞬間】 2016年 10月

佛教大学附属幼稚園園長 藤堂俊英

 いま目の前にいる子どもたちに自分の幼稚園時代のその時の姿を重ね合わせるようにしています。65年もの歳月が過ぎてもなおそうさせるものが自分の内から湧き出てくるのは不思議なことですが、それは「はぐくむ(羽含)」といういとなみが私たちに課せられた宿題のようなものなのだからでしよう。

 子どもたちがよく知っているイソップのウサギとカメのお話しがあります。ウサギさんが競争に負けてしまったわけを園児たちに聞いてみると、年中さん以上ともなれば、油断をして最後まで頑張らなかったからだという答えが返ってきますが、年少さんあたりからは、忘れずにお昼寝をしたウサギさんを評価する答えも返ってきます。

 毎年一度は子どもたちに次のような問いかけをします。「もし寝ているウサギさんが大きな地震や大きな台風にあって大事なおうちを失くしたり、病気やケガをして元気のないウサギさんなら、みんなは知らん顔して行ってしまうのかな?」と。すると毎年のことですが、間髪をいれずに、「それはあかん!」「どうしたの?」「だいじょうぶ?」って聞いてあげるの、という答えが爾ってきます。そこには子どもたちの真剣に輝く瞳があります。

【輝く瞬間】 2016年 9月

京都きらら幼稚園 池野亮光

 
 「夏」、つよい日差しのもと、プールから子どもたちの歓声が聞こえてきます。輝く銀色の水飛沫が子どもたちの肌の上で踊っています。普段の保育以上に、子ども同士の関わり合いが活発なような気がします。水が子どもたちをやさしくするのでしょうか、それとも水への怖れがそうさせるのでしょうか。ひとつの水の中で生まれる、友だちどうしのいたわりあい、助けあい。深く透明な、水への畏怖があって、小さな人間関係が結ばれていきます。
 「夏」、戸外でのダイナミックな遊びが展開されます。十全な注意を払っていても、怪我のない幼児生活ってあり得ません。切れば血が出て、打てばたんこぶができる。時には、からだの痛みを通じて、自然の摂理を学ぶことだってあるでしょう。怖さや痛みを避けるのではなく、その感覚を素直に気づくことから「私の発見」が始まります。
だからこそ、「夏」はいつも偉大なる学びの季節です。人としての成長を貫く、たいせつな気づきのはじまりを育てる季節ではないでしょうか。

【輝く瞬間】 2016年 7月

南殿幼稚園 粟津 篤

 

 

 新入園児を迎え、三ヶ月が過ぎました。すっかり園児たちも落ち着いて、楽しい幼稚園生活が進められているようです。子ども達にとって楽しい水遊びの季節です。本園も屋上にプールを設置して六月中旬よりプールが始まっています。きれいな水がキラキラ輝いて子ども達を迎えています。明るい歓声が聞こえています。日頃見られない園児たちの様子が見られます。まさに子ども達にとって輝く一瞬です。しかし先年より市内で小学校、保育園で、大きな事故がありました。プール遊びでは〝いのち〟が関わる事も認識しておかなければなりません。〝いのち〟の尊さ、生きることの大切さを同時に伝えていかなければなりません。昔から、砂場で子ども達は多くの事を学ぶといわれています。プール遊びを通して、子ども達は〝いのち〟の大切さを、生きている事のうれしさを同時に学んでほしいものです。

【輝く瞬間】 2016年 6月

京都幼稚園 深澤素子

 

 惠の雨を受けて園庭の花や野菜がぐんぐん成長してきました。
花や野菜と共に草やわき枝も同じように伸びてきています。花をきれいに咲かせるため、作物を大きく育てるために剪定やわき芽を摘んでいかなければいけないという事で、草を抜いていました。その様子を見ていた園児が、お手伝いのい来てくれました。草を抜いている様子を見て「先生はどうやって抜く草と抜かない草を決めてるの?」と質問をしました。確かに、私が抜こうとしている草にも小さな花がついていました。トマトはちいさいけれどもたくさんも実をつけています。どの草、どの芽を抜くなんて選ぶ事はできないのだと答えに詰まってしまいました。「僕のおじいちゃんは草抜いてそのまま放っとかはる。そしたらまた土にもどるんやで」「ぞうのうんちも土に還るって言うてはったやん」子どもがいろいろな話を始めました。

 雑草は10万年前の氷河期に氷河によって傷ついた不毛の土地を生きた肥沃の土地にもどす為に発生したと聞きました。きれいな花を咲かせるためには、取り除いていく事も必要であるということ、あらゆるもののおかげで生かされて存在しているという事。どんなものにも大切な役割があるという事を、自然の中で、自分の目で観察しながら気づいていける環境を整えていきたいと思いました。
子どもが帰ったあと、掃除をしていると、植木鉢にちいさな青いトマトの実が並べてありました。優しい気持にうれしくなりました。

« 過去の記事