本願寺中央幼稚園 日野昭文
新緑の季節、四月からの新入園児も、初めて体験する園生活にもようやく慣れて来ました。「ママと一緒がいい」「ママおいていかないで」。母親との別れを嫌がった子どもが「せんせい、お早うございます」言うやいなや、母親を置き去りにお部屋へまっしぐらに向かいます。取り残された母親は安心したような、すこし寂しいような複雑な表情をなさいます。「おかあさんに行ってきますは?」「ママ、お家で待っててね」。
体育服に着替えて「園長先生、見てみて、ぼくひとりで着替えたの」「すごいね。今度お母さんに見せてあげようね」。咲き終えたチューリップを整理していると「だめですよ、お花は大切にしましょう。ママが言ってたもん」「来年もきれいなお花が咲くようにお世話をしているのだよ」「ふーん、わたしもしたい」。知らない間に、すこしづつ、母親離れができる季節になりました。
青風 青風和泉幼稚園 園長 萩 祐子
いよいよまちに待った新学年がはじまりました。昨年秋以来、登園を心待ちにしていた新入園児。慣らし保育数ヶ月の経験から何となく
「幼稚園」を肌で感じ、大きな声で「おはようございます」とあいさつをする進級児にまじり、少々不安気に正門をくぐって入って来ます。上ぐつにはき替え、教室に入る時に「チラッ!」と後ろを振り返り、年中、年長のお兄さん、お姉さんに手をつないでもらい、教室へ姿を消して行きます。
ついこの前まで、私服でお母さんと遊びに来ていた未入園児が、一ヶ月も経たないうちに制服を着用し、幼稚園児として登園して来る姿は、何とも堂々として見えます。それとはうらはらに、弟や妹に気づかいながら、ハラハラ、ドキドキのお兄ちゃん、お姉ちゃん。
お家の人恋しさに、何処かで泣く声がします。何時の日か笑顔にあふれ、元気一杯園庭を走りまわる、そんな園児たちの成長を楽しみに私達は毎日励んでいます。
あぐい幼稚園 野田明成
今年度もまもなく終わりを迎えます。この時期になると、年長組さんがもうすぐ卒園してしまうので、年長組さんから年少組さんみんなで園庭や園内で遊ぶ時間が長くなってきます。
年長組さんは、一番大きなおにいさん・おねえさんとして、年中・年少組さんのお手本になったり、側について助けてあげたり、園外にお出かけする時には手を繋いでくれたり…、この一年みんなを引っ張ってくれました。
そんな素敵なおにいさん・おねえさんに見守られながら、小さい組さんもずいぶん成長しました。4月になったら新しく入園してくるお友だちの大きいおにいさん・おねえさんとして輝いてくれることでしょう。
年長組のみんな、卒園おめでとう!
そして、ありがとう!
くろたに幼稚園 杉山俊定
立春も過ぎ暦の上ではいよいよ春の到来です。
子ども達も日増しにたくましさを増し、四月の頃に比べると本当にその成長に感動すら覚えます。確かに子ども達の成長は、一人、一人が自分の持っているペースで進んでいきます。早い子、ゆっくりな子と千差万別です。でも、全ての子ども達が一歩、一歩とその歩みを進めて
います。
園長室の窓を叩く子がいます。「園長先生、おもしろいもの見つけたで〜」
園庭の隅で女の子が輪になっています。「先生、この花、めっちゃかわいいで!」園内の至る所で声がします。
その声に、きらきらと輝くその眼差しに、しっかりと寄り添っていかなければと思う初春のひとときです。
かもがわ幼稚園園長 藤原光二
この世に生を受けて間もない子どもたちは、毎日が新鮮で、驚きに満ちています。それはまるで、朝露に朝日が当たって一瞬の輝きを放つようです。そんな子ども達が、今日も期待に胸膨らませてやって来ます。
「相手の心に届くよう、笑顔と共に元気よく」を合い言葉に、登園してくる子どもたちをあいさつとハイタッチで迎えます。
子どもたちは、日に日に成長し、新しい姿を見せてくれます。入園したての頃には、毎日のように泣きながら通園バスを降りていたA君が、今は泣いている子の手を引き、自信に満ちた笑顔で登園して来ます。ハイタッチのやわらかな手の感触に、命の連続を感じながら、彼らの
未来にエールを送ります。
百花繚乱の春から、夏の灼熱の太陽、そして、実りの秋へと季節は移り、厳しい冬の寒さの中で、新芽を準備し、新たな成長の春を待つ、そんな一月の幼稚園に、可能性一杯のすてきな笑顔が今日も輝いています。
太秦幼稚園 松本 佳子
いよいよ十二月になりました。肌で感じる寒さがどんどん厳しくなるこの季節、もうしばらくすると、子どもたちはワクワク、ドキドキし始めます。子どもたちにとって、最も嬉しいイベントの一つ、クリスマスが近づいて来るのです。一段と深くなった師走の趣と相俟って、まさに風物詩ともいえる光景が見られます。
「今年はサンタさんに何をお願いしようかな」「いい子にしていたから、サンタさん来てくれるなぁ」。
こんな会話を聞いているとこちらまで楽しくなってきます。弾む声、きらきらした瞳。子どもたちがお互いに笑顔で、楽しそうに話をしている姿は、私には何よりも輝いて見えるのです。そんなかわいい子どもたちもいつかは、サンタさんの正体に気が付くでしょう。自分達が親になり、サンタさんを演じる様になった時、子どもたちの姿を見て、自分達が子どもの頃にどれほど瞳を輝かせクリスマスを楽しみにしていたことか、その純粋な気持ちを覚えておいて欲しい。そう願っています。
アヴェ・マリア幼稚園 松永昌子
運動会を無事に終えた今、運動会は素晴らしいと思っています。大人も子供も、精いっぱいの力を出すことで、みんな素敵な主人公です。ハプニング、笑い、思わずの大声、歓声と嘆声、素が出るのが面白く会場が一つになります。
子ども達は学年の差がくっきり。満三歳児は母の横で突っ立ったまま終わったり、三歳児のかけっこは、隣の友達に合わせ一緒にゴールしたり、四歳児はソーラン節の「ドッコイショー、ドッコイショー」の掛け声に仲間意識が出たり、五歳児の自分の力を出し切る心意気に、親も先生も涙が出て、ここまで成長したのかと感無量であったり。リレーでハラハラ、鼓隊カラーガードの演奏で感激、組体操の底力、支え合う力、親子競技の一体感などなど。
片付けの時、父と一緒にいる日頃おとなしい男の子に「リレー速かったね。驚いたよ。」というと、素敵な笑顔で父に飛びつきました。
ああ、運動会っていいな。
東山幼稚園 園長 奥田 歓信
年長さんのクラス対抗全員リレーの感動の話しです。
誕生月による体格の差はまだ残っておりますが、年長児としての誇りと自覚がありありと表現されたリレーです。先頭の子どもが転んでしまいビリになっても泣きながらバトンを渡すまでは真剣に走ってバトンを無事に渡しほっと安堵する子。又、一人抜き二人抜きをしてトップを走る子ども、どの子も真剣全力を尽くして実に爽やかな表情を浮かべておりますが、この姿はリレーが終わると子どもたちが輝く瞬間であり最高の感動を得た瞬間でもあります。
保護者の方々も、大声で声援を送り、子どもと一緒に走っている様子です。中には感動のあまり、ハンカチを目に当てる光景も多く目にします。子どもと一緒に成長されたご両親の感激も一入だと思います。
我々は感動により大きく成長することができますが、日々の生活の中にも多くの感動があればと思います。
園長 川名 マミ
四月から七月 一学期の期間で季節が色濃く変わり、葉色や花々が段々と力強く伸びていく中で子どもたちにも同様の変化が見られます。
春先の新芽は柔らかく・色薄く・どこか弱々しい・でもこれから伸びていくぞっていう勢いが感じられます。春から初夏になると、その葉は徐々に固く・色濃く・たくましくなってきます。そして、夏・・・しっかりと茂った葉っぱは、同様に成長した子供たちを見守るように、
しっかりと木陰を作り、涼しい空気を運んでくれます。
また、二学期の秋は葉色の変化とともに、実が子どもたちの恰好の遊び道具に変化します。
自然の中にはたくさんの葉っぱがあります。よく見ると、色や形や匂いもさまざま、子どもたちに、そのことを伝え、自然環境のもつ豊か
さを大人になってふと振り返った時に、気付いてくれたらと思っています。そのためには、子ども達が今を一生懸命、遊びこむこと季節に応じて自然環境の中でその時の空気を肌で感じて一生懸命遊びこむこと遊びこんだ蓄積が一つづつ子どもたちの力となって、知恵となって、ツ
ールとなって今後の人間形成に大きく関わってくると信じて・・・。
本願寺中央幼稚園 園長 日野昭文
暑い日差しの中、日陰ではだんご虫やあり探しをしている子ども達。発見すると、「見つけた!」あっという間に人だかりが出来ます。子ども達は生き物に興味津々ですね。
昨年、育てていたアゲハのさなぎが虫に食べられてしまったことを、ずっと悲しんでいたIくん。度々図鑑を見ては、「これ、虫さんに食べられちゃったね」と悲しそうに言っていました。さて今年は!みかんの木に集まった幼虫を見せると、思い出してまた悲しい顔に。それから毎日虫カゴを覗いては「大丈夫かな?」「先生、餌あげて」「虫さん食べに来ないように守ってあげる」さなぎになると、糸が切れないように「カゴ揺らさないで」と友達に教えてあげていました。そしてある日の朝、「ちょうちょになってるよ!」いち早く見つけたIくん。みんなで外に逃がすことに。「ばいばーい!また遊びに来てねーちょうちょになれてよかったねー!」満面の笑顔で手を振り続けるIくんでした。