活動報告

第57回 中央園児大会

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟 振興担当副理事長 野々村 誠一

 第57回京都府私立幼稚園中央園児大会が5月10日(木)に京都府立植物園において実施されました。テーマは「こどもがまんなか」、サブテーマ「ここでみんなにあえてよかったね」とし賑々しくスタートしました。

 当日は絶好の晴天となり、植物園の中央芝地には、3,936名の園児と保護者の方が参加され、公務お忙しいなか初めてご出席となります西脇隆俊知事様、ご来賓の皆様をお迎えすることができました。

 知事様ご到着後、駆けよってくる園児たちに手を振ったり、握手をされたりし、コーナー遊びでは子どもたちと親しく交流をされました。式典では、園児から花の絵を受け取っていただき、園児たちに「ぬりえ」と「花の種」をプレゼントしていただきました。両膝をついて園児たちに応えておられる姿に、お人柄を垣間見ることが出来ました。アトラクションにも参加していただき、自然を汚す者を改心させる役柄を演じてくださいました。物語の成り行きやセリフを事前に読み込んでいただいたのではないかと思います。数か所アドリブも交えて、園児たちを楽しませて下さいました。最後は「えがおのおくりもの」でフィナーレを迎えます。知事就任式での「課題解決は現場にある」とご挨拶されました。参加されている方々も、これから子どもたちを取り巻く京都府の未来に、明るい希望を感じていただけたのではないでしょうか。

 前知事、山田啓二様は在任16年にわたって京都府私立幼稚園連盟の諸行事にご出席いただき、延べ回数は100回を超えます。これまで歴代の京都府私立幼稚園の理事長や理事、加盟園各園の皆様のご尽力のもとに築き上げられた京都府と連盟のつながりを絶やさないよう、取り組んでいかなくてはと、当日の西脇知事のお姿に背筋の伸びる思いが致しました。

 これからも京都府の子どもたちの幸せのため、教育環境の充実を目指して、各幼稚園の皆様と共に頑張ってまいります。

 開催に際しまして、ご尽力いただきました京都府文教課の皆様、植物園の皆様、連盟理事、京都市協会理事、運営実行委員、各園の先生方、連盟事務局、園児大会担当のお二人の理事に、心からの感謝と御礼を申し上げます。

新 年 度 を 迎 え て

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟 理事長 川名 マミ

 4月新年度が始まり各園では子どもたちの可愛らしい声が響いていることと存じます。
日本に四季があって良かったと、同じく幼稚園に四季があって良かったと毎年々々感じます。
また、皆様方におかれましては日頃より連盟の事業にご協力ご理解いただき誠にありがとうございます。心より感謝いたします。
今年度も各地区理事と一緒に丁寧に事業を遂行していく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、幼稚園にかかわる現状を見てみますと、国の新たな施策が次から次へと打ち出されています。幼児教育・保育の無償化や2歳児の接続保育等それぞれの園が今後の自園の進むべき方向性を探りながら適切に対応していかねばならない重要な事柄です。それに加えて従来より懸案の新制度に移行する、しないの選択肢も交えながら考えることも必要となってきます。保育園の11時間の無償化が現実化する中で幼稚園としてどのような選択をするのかを考えていかねばなりません。

 また、全国的に人材不足といわれている中、幼稚園教諭も同じ状況です。今後、各園はもとより連盟としてもこのことを念頭に置いて幼稚園で働くことの魅力をアピールしていくとともに処遇改善費の折衝を進めていくつもりです。各園におかれましても新任教諭が働いてみたいと思える職場づくりを今まで以上に意識していく事が大切になってくると考えられます。また、全日私幼では処遇改善費を国に求めていく中で今まで積み上げてきた研修ハンドブックを改良し、今年度から研修履歴が公式に通用する形を整えています。そして教員各自の研修履歴がキャリアアップの布石となるよう進めていきたいとの意向です。このことから処遇改善と研修履歴はセットとして考えられますので、各園におかれましても先生方一人一人の基礎資格として研修履歴を残すように留意していただきたいと思います。

 このような混沌とした中で私たちが最も大切にすべきことは今までの歩みの中で地域に認められた私立幼稚園としての役割を再認識して、幼児教育の質の向上に努めることに尽きるのではないかと考えます。連盟としては加盟各園の良さがより一層それぞれの地域で輝けるように研修・研究のより一層の充実を図ることを念頭に運営してゆく所存です。
また、行政の窓口ともしっかりと対話し情報の収集に務め、またさまざまな制度設計について協議していきたいと考えます。

 国の施策や方針は変わりますが、今こそチャンスとし、幼児教育に携わる各自が誇りをもって、今一度背筋を伸ばして私たちの宝・日本の宝である子どもたちを共に大切に育みましょう。そして将来の日本のために京私幼の皆様が更に一枚岩となり、「こどもがまんなか」の思いで「保育の質を」を大切にしながら、私たちの営みを検証することを怠らず共に邁進して行きたいと願います。

年  頭  所  感

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟 理事長 川名 マミ

 2018年新しい年が始まりました。

 さて、早速ではありますが、先日各園にFAXにてお知らせいたしました、
「新しい政策パッケージに対する意見書」~幼児教育・保育の無償化について~の意見書をお読みいただけましたでしょうか、是非ご一読いただきたいとお願い申し上げます。
幼稚園の意見として皆様方が感じていらっしゃることをまとめて、意見書として国会議員・府会議員・京都府文教課・京都市はぐくみ局・京都市教育委員会に届けました。国の制度である以上都道府県単位で調整できないことが多いとは思いますが。

 子どもたちに豊かな環境を願う幼稚園として、この意見を述べないわけにはいかないと考えます。なんとか京都モデルの枠組みをつくり、人生のスタートである乳幼児期を豊かな環境で過ごすことのできるようにしていきたいと思っています。また、無償化の議論の中には子供はどう育つべきなのかというところが抜けていると言わざるをえませんが、それでも現実化した時に幼稚園としてどうあるべきかという事を考えても行かねばなりません。
やはり幼稚園は幼稚園らしくありたい、そして各園それぞれが今以上に幼児教育の質の向上を目指していく事こそが、ある意味、差別化されることになるのではないかと思います。
2018年は幼稚園にとって大きな岐路に立つことになるでしょう。各園それぞれに進むべき道を考える時が来るのは間違いないでしょうが、連盟としては素早く情報提供する事と担当行政との対話と調整をしていく事、また加盟各園が一枚岩として強い組織づくりを心がけたいと考えています。

先日、アインシュタインが東京に滞在した時の2枚のメモが2億円で落札されたというニュースがありました。1枚のメモはアインシュタインの幸福に関する考え方が書かれていたそうで、もう一枚のメモは「意志あるところに道は開ける」というものだったということです。
私たち幼稚園は、142年前幼児教育が発祥した、ここ京都で「明日の日本を担う幼児教育」と自負し明日の日本を担う子どもたちを育てるという強い思いと「意志あるところに道は開けると」いうことを胸に151ケ園が手を携えて進んでいきたいと思います。
みなさま今年もどうぞよろしくお願いいたします。

平成29年度 京都府私立幼稚園連盟 管外研修

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟
副理事長熊谷 知子

 平成29年度の管外研修は、福岡県行橋市のきらきら星幼稚園への見学と第33回全日本私立幼稚園連合
会 設置者・園長全国研修大会の参加をしました。10月15日(日)に18名で出発し、1日目は九州北部
門司港周辺を視察いたしました。
  2日目、14日(月)きらきら星幼稚園への園見学は雨の中でしたが、園児たちが屋根のある外園庭で遊ぶ
姿や保育室で取り組んでいる様子、子どもの活動を引き出す環境のありかた、2歳児クラス、読み聞かせの会
の子育て支援活動の様子、保護者の方の活動など限られた時間の中たくさんの活動を見ることができました。
  きらきら星幼稚園では子どもが様々な体験をする中で、自分を誇らしく思えるような「実感を持つ」ことを
大切にし、幼児の発達を促す3つのキーワード「基底となる生活」「総合活動」「課題に向かう活動」をもとに
日々教師が目の前や周りにいる子ども達をしっかり見つめながら一人ひとりに合った手づくりのカリキュラム
づくりをされています。また、子ども一人ひとりがのびのびと育つ環境とは何かを考えながら園舎や園庭を毎
年進化させ園庭の遊具も子どもの実態に合わせた木製の手づくりのものでした。 
  見学後、黒田秀樹園長先生より何とか自由にやっていきたいと力強いお言葉からはじまり、「ここに集い、
こういう風に育てたいと保護者の方と一緒に思える関係づくりに取り組んでいる。保護者の方と共にやってい
くということが大切で、保育の様子や子どもたちの育つとき、幼稚園が大切に考えていることを写真や文章で
工夫しながら発信し情報を共有している。また、園内研修の重要性、教育課程に沿った丁寧な振り返りと教職
員のコミュニケーションが大切である」ことを話していただきました。最後に「さらにやってみたいこととし
て土地を広げ子ども達がもっとのびのびと過ごせるようにしたい。地域の中で運動会のマラソン種目を走り回
れるような、地域で育つ子どもを大切にしていきたい」と熱く語られました。

 その後午後より第33回全日本私立幼稚園連合会 設置者・園長全国研修大会に大分に向かいました。

就任にあたり

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟
理事長 川名 マミ

今回、京都府私立幼稚園連盟理事長を拝命するにあたり、歴代の理事長先生が偉大な先生方ばかりなのに、私でいいのだろうかと、その重責に身の引き締まる思いがいたします。
私が連盟の仕事に関わって約20 年が経ち、その間、諸先輩の先生方にお世話になりました。「頑張りや」と声をかけてくださったり、いろいろなことを教えていただいたり、若輩の私は本当に諸先生方を手本にさせていただいていました。そのことは連盟でのお仕事にも役立ちましたし、自園の運営にも役立つことがたくさんありました。そのように組織の中で育てていただいたことを感謝し、その恩返しのつもりで今回のお役を引き受けさせていただきました。
いろいろな会での山田知事様のご挨拶で、「京私幼連盟の各園がお互いに切磋琢磨してそれぞれが成長しているがそれは一園だけの成長ではなく、連盟という器自体が大きく成長するからこそ、各園の成長があるのだと思う。」といった趣旨の表現をしてくださっています。
京私幼連盟の先生方の慈しみ合い、支えあう姿は心の通う家族のようであります。こうした連盟の在り方こそが何よりも子どもたちのお手本になるものであり、教育の原点がそこにあると思います。私自身は非力ですが、皆様方のお力添えを頂きながら連盟のつながりをより強いものにするべく一生懸命務めさせていただく所存ですのでどうぞよろしくお願いいたします。また、今回の使命の一つに若い世代を育てるといったこともあって、若手お二人の副理事長の起用もあります事あわせてよろしくお願いいたします。

さて、今年度の運営の重点項目は

~子ども子育て支援新制度とどう向き合うか、連盟として、各園として~
平成26 年に始まった5 年間の移行期間の4 年目を迎えます。このことは今後、各園が地域の実情をしっかり見据えて考えてどのように対応していくか重要な年度になると考えられます。連盟としてはこども園に移行する園にとって移行しやすい環境を整えることと、私学助成の幼稚園として今後も運営してゆく園にとっても、運営しやすい環境づくり、この両側面の対応を行政との対話で進めていかねばならないと考えています。

~私立幼稚園としての子育ての支援~
今年度から2 歳児の親子登園事業が始まりました、このことはまさに、さまざまな観点からの子育て支援を展開し、地域に開かれた子育てセンター的な役割を担っていく時がやってきたといえます。幼児教育を根幹に多機能な役割をもち、地域の保護者や子どもたちが、安心して利用できる地域における安心・安全のセンターとしての位置づけをするとともに「家庭教育の支援」の推進と充実のための乳児の発達の道筋や親子関係をまなぶ研修体制の整備が必要であると考えます。

~幼稚園教諭の人材確保~
近年の状況で、今までのようには幼稚園教諭の確保ができない現状があるのではないでしょうか、このことは園児の減少に匹敵する大きな問題だと考えられます。各園の努力はもちろんの事ですが、幼稚園教諭の魅力ややりがいの情報発信、また、わくわくリワーク対象の方など潜在する有資格者の掘り起こしのさらなる促進も必要になってくる
と思います。が、そのことだけではなく保育園にはあって幼稚園にはない処遇改善の加算も視野に入れ、今務めている幼稚園教諭が長くその園に務められる大枠の環境づくりをしていく事も行政との対話で必要なことになってきます。
以上のような柱を念頭に今後の事業を展開していき、加盟各園がそれぞれの個性で輝きながらよりよい運営ができるよう努力する所存です。何卒よろしくお願いいたします。

笑顔の贈りもの

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟
副理事長 中浦 正音

 平成29年度もスタートして2ヶ月が経とうとしています。各幼稚園では子ども達も新しい環境に慣れ、遊びに興じる大きな声が響き、たくさんの笑顔の花が咲いていることでしょう。京都府私立幼稚園連盟においても様々な事業がスタートし、研修・交流・振興の集いが子ども達の幸せを願う熱き想いのもと繰り広げられています。今年度は理事役員の改選期であり、6月には新執行部が新鮮な風を吹き込んでくれると思います。そしてその為にも現理事団も与えられた責任をしっかりと全うしてしっかり引き継ぐべく「99里を以って道半ばとす」の気持ちでラスト1ヶ月、任にあたりたいと思います。特に今年の7月には近畿地区教職員研修大会が6年ぶりに京都で開催されます。新旧理事団のみならず加盟園の総力を挙げて有意義な大会になればと願います。会員の皆様の御協力を宜しくお願い致します。

 私立幼稚園を取り巻く環境は順風満帆とは言えないかもしれません。新制度が10年後どの様に評価されているのか、まだまだ不透明であります。こんな時こそ原点に戻ってみる事・色んな意見を聞く事・想いを共有する仲間と力を合わせる事が必要であると思います。大会の当番が回ってきたと負担感を持つより、運営を通して京私幼が集い・語らい・一致団結するチャンスを頂いたと捉える方が良いのではないでしょうか。近畿地区に所属する園にも認定こども園移行園が多くあり、こういった機会に色んな情報を頂き、それを基に京私幼の仲間と談論風発をしたいと思います。

 さて、振興担当副理事長として今年度既に実施された3地域の園児大会の御報告並びに御礼を申し上げたいと思います。京都市内にある幼稚園の5歳児親子が植物園に集った5月11日中央園児大会を皮切りに、5月17日には舞鶴市民体育館にて両丹地区園児大会が、6月24日には亀岡市民体育館において口丹地区園児大会が開催されました。3大会共に天候に恵まれ、例年にも増して多くの参加を得、素敵な大会となりました。

 中央園児大会では、京都府が展開されている人権啓発ひろめ隊の御協力を得て、例年とは一味違った運営を試みました。人権啓発イメージソング子ども版「笑顔のおくりもの」の作詞家鮎川めぐみさん、歌っておられるフラリーパットさんにお越し頂き、子ども達と共に素敵な歌とおどりの時間を共有しました。何にも増して輝いた時間であったと思います。

 両丹地区では園児たちが忍者になって協力して成長していくストーリーが展開され、口丹地区では他の園の子ども達と輪になって行うダンスや玉入れ、名札の交換が印象的でした。何よりも山田啓二知事様が全ての園児大会に御臨席下さり、保護者の方々にエールを送り、かつ子ども達と親しく時間を共にして下さった事に感謝したいと思います。時にはヒーローとなり、時には輪に入って一緒に競技を楽しんで下さいました。いつも山田知事様は子ども達こそが未来の宝物であり、子育てをされるご家庭こそが社会の宝物であると言って下さっていますが、正しくそのことをこの園児大会の中で身をもってお示し下さったと思います。参加された多くの保護者の方々が強くその暖かいお気持ちを感じられたのではないでしょうか。

 園児大会では5歳児の子ども達が、自分の園のお友達だけではなく多くの見知らぬ友達と出会う貴重な経験をしたものと思います。私見ですが幼児期と思春期という人生の大切な2つの自立期の内、5歳児の子ども達にとって大切な事は、どれだけイメージの世界を広げられるかではないかと思っています(それに対して思春期の課題は自分の内面をどれだけ深く見つめられるかではないでしょうか。)5歳児の子ども達にとってこの空に繋がる世界に多くの友達が同じく生きているという感覚はとても大切なのだと思うのです。日本の社会では孤立と無関心が問題となり、世界に目を向ければナショナリズムと排他的な風潮が覆っている今日、その思いはより大きくなります。京都の私立幼稚園の子ども達が、世界が一つの家族のように笑顔の贈り物が満ち溢れる、そんな未来の大きな架け橋とならん事を願い、今後も園児大会が各地区において実施されます事を心より願っています。

管外研修の報告

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟
副理事長 野波 雅紀

 去る11月10日から1泊2日の行程で管外研修を実施しましたのでその概要を報告いたします。
 今年は、全日私幼連政策委員長であり国の子ども・子育て支援会議委員をしておられ、幼稚園型認定こども園やしま幼稚園の理事長・園長 坪井久也先生を訪問しました。やしま幼稚園は平成20年度から認定こども園として運営を始められ、昨年の新制度スタート時には小規模保育事業(2歳児)を併設、来年度からは小規模を廃止され、3号(1歳児以上)認定の受入を始められるそうです。
 今回の訪問では、やしま幼稚園が幼稚園型認定こども園を選択された経緯と、実際の事務・経営・課題について坪井先生がお感じになられたことをお話しくださいました。以下は坪井先生からいただいた資料を掲載させていただきます。

【事務に関すること】
 移行後、各種加算の申請に必要な書類も多く、その書類も細かい
(1) 事務面は多忙、毎月のやりとり、幼稚園としての今まで知らない事務が突然出てくる
(2) 月途中での入退園の報告、1号から2号への変更(その逆も)についての報告
(3) 施設型給付費は毎月請求、毎月入金
(4) 市町村の指導監査

【経営に関すること】
・職員配置が充実している園は充実する
・処遇改善ができる見込み
(1) 市の保育所行政は手厚い
(2) 公定価格は予想したより充実している
(3) 高松市は市の単独補助による利用者負担を大きく引下げ(25,700→14,200)により、保護者は満足
(4) 特定負担額(公定価格で賄えない部分を施設充実費や職員配置充実費という名目で徴収する)や実費徴収は、私立幼稚園として従来から保護者に説明の上徴収してきたものであり、今後とも維持すべき
(5) 2才児への支援が重要
(6) 公定価格加算は人の配置に係るもので、職員配置が充実した園ほど加算がある
(7) 地域の幼児教育機関と して存続できるようになった
(8) 大規模園は(ケース・バイ・ケース) 職員数、職員の経験年数
(9) 保護者はよく計算して1号か2号を選択している
(10) 利用定員の認定の仕方が大切

【課題】
・人材確保が重要(保育に関わる事業所が急増)
・認定こども園の2号・3号児は保育所制度の中で設計されている
(1) 人材確保が大変、特に保育所部分(小規模保育の職員)は人の出入りが予想以上に多かった
(2) 幼保連携型認定こども園は全員が保育教諭として幼稚園教諭と保育士資格の両方を求められるなど基準が高い割には、インセンティブは少ない
(3) 高松市では待機児童が発生しているため(主に3号児)、11月1日に入園願書を受け付けても、高松市の利用調整を経て1・2月の入園決定となる制度であり、園児数が確定しないと必要な教職員数が確定せず、優秀な職員を確保できないという問題が指摘されている。
(4) 利用調整と認定こども園の直接契約の関係 待機児童が発生している自治体では、直接契約よりも市町村の利用調整が優先する。問題となるのは、当園を希望し入園申込をした在園児の弟妹が保育必要度の点数が低く入園できないケースの発生が懸念されることである
(5) 公定価格や加算の仕組みの複雑さ
 坪井先生からのご提言として、団体が結束して市町村と交渉することが有利であることを強調されておられました。
 京都府の私立幼稚園は全国一の私学助成をいただいています。香川県は京都府に比べると1人あたり数万円低い私学助成だったことから、高松市の事例が京都府の幼稚園にあてはまるとは限らないとの認識も一方で感じました。

集団を通して行われる幼児教育

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟
副理事長 中浦 正音

 新制度に移行して一年三ヶ月が過ぎ、各都道府県・市町村でそれぞれ違った歩みがあり、ますます混沌とした状況が今の日本の幼児教育の現場であります。認定子ども園等の平成27年度の行政監査がこの一年をかけて行われていきますが、その結果を見ながら全体像を把握していかなければなりません。京都府私立幼稚園連盟としては、これからも私学の独自性を守り、幼児教育の質を担保するというこの二点を柱に加盟園の皆様と進むべき道を談論風発、模索していきたいと思っています。今回は外形的な施設の形態云々というよりも保育理念、保育内容の視点から私見を述べさせていただきます。

 この数十年、幼稚園関係者は小学校以降の就学教育と幼児教育の根本的な違いを中心に幼稚園教育を語ることが多かったように思います。「学習」と「遊びを通しての学び」と整理してもいいでしょう。まだまだ未分化な状態である子どもにとっては、しっかりと整理・体系化された教科を中心として学習するよりも、むしろ混沌とした情報の中から自分にとって意味のある情報を自ら選び取り入れながらそれを類型化していく経験を積み重ねることのほうが大事であると考えます。主体的という言葉が幼児教育のキーワードであると位置づけられてきましたが、その意味は自分自らが情報や行動を選択するということだけに留まるのではなく、自分独自の情報の整理の仕方を身につけるという内面の働きにこそ注目されなければなりません。それこそが個性を確立するということではないでしょうか。

 さて、幼児教育において「遊びを通して学ぶ」のもう一つのキーワードは「集団性」にあると考えます。幼稚園における幼児教育の中心は集団との関わりにおいて育ちあうということに尽きます。さきほど「自分にとって意味ある情報」と示しましたが、集団の中における自分の存在を意識する度合いに応じてその「意味ある内容」は変化していきます。個の確立と社会性の育ちは密接に関係しますが、「集団を通しての学び」のスタートはいつがいいのかは、かねてから論議されてきました。最近では十年前、2歳児特区の検証がなされ、4年保育は、幼稚園教育の集団性にまだなじまないとの考察があり、満3歳児からが幼稚園教育のスタートであると位置づけられました。乳児期及び幼児前期が愛着形成を基礎とした情緒の安定や他者への信頼感が醸成される時期であることを考えれば、小さな子どもが無防備に集団の中に放り出されることは、十分に注意しなければなりません。発達で言えば未分化から分化を進めていく中で、どの段階で集団に馴染んでいくのが好ましいかという考察はまだまだ体系的に出来ていないと思われます。就学教育との比較において幼児教育を語ってきた私たちは、これからは同時に集団性をキーワードに幼児教育の持つ本来の「集団性」在り方を深く研究する必要があるのではないでしょうか。よく聞く話に「2歳児保育を経験したものは3歳児の保育が楽になる」というものがあります。この論議で言えば、「0歳児保育を受けたものは1歳児の保育が楽になる」という主張に繋がり、早く集団の中での保育をすべき、となってしまいます。果たして一生を通しての人間の成長を考えるとき、表面的に集団に馴染むという姿が本当に発達課題をクリアしているかどうかを慎重に考察・検証していくことが大切であります。新制度の大きな混乱の中、幼児教育の入口と出口についてしっかりと加盟園の皆様と論議ができればと考えています。

 連盟では、プレイパーク(教職員運動会)研究事業を整理し、新しく0~2歳児の育ちを考える研修会をスタートさせました。くれぐれも、3~5歳の幼児教育の延長線で安易な3歳児の保育内容を押し下げた0~2歳児保育にならないよう、注意したいものです。

待機児童現象 ~自立した日本の未来のために~

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟
副理事長 藤本 明弘

 待機児童の問題が連日のようにマスコミで取り上げられています。当初の国の予測では平成29年度をピークに待機児童は解消する見込みでしたが、今のところとどまる気配すらありません。京都府内でも待機児童解消のために保育所を新設したり、定員増を図ったり、小規模保育所を新設したりする市町村も少なくありません。そのような中、私たち私立幼稚園も預かり保育の拡充などにより一定の役割を担っていく責任を自覚する必要があることは言うまでもありません。

 しかしながら受け皿の拡大に伴い、保育士の確保が困難さを極めています。各地で保育士の処遇改善の施策が進められていますが、それにもかかわらず保育士不足はもはや都会だけではとどまらず、全国的な広がりをみせ深刻化しています。首都圏の保育所や全国展開をしている大手の事業所の中には、北海道から沖縄までの全国津々浦々の養成校を対象として、猛烈な求人活動を展開している法人もあるようです。

 保育サービスは受け皿や補助制度が整備・充実すればするほど、それならば我が子も小さい年齢から長時間預かってもらいたいという家庭が必要以上に増えるのは当たり前のことで、低年齢からの需要はますます高まるばかりです。言い換えれば保育サービスの整備・充実は、潜在ニーズを同時に次々と掘り起こしているのです。また、小規模保育所を増設する対応策は、差し当たっての急場しのぎにはなるものの、3歳からの受け皿が急激に不足する問題も同時に産み出しています。

 このようにますます出口の見えないスパイラルに入り込んでしまうのは、待機児童に対する施策が対処療法であり、後追い策であるからです。保育士の処遇改善も大切ですが、本当に処遇が改善されるべきなのは、子どもとその保護者ではないでしょうか。

 そして何よりの問題点は待機児童は問題ではなく、現象であるということです。本当に本気で取り組むべきは、待機児童現象を産み出している根源を解消する施策であり、この事実に対する国民的コンセンサスです。
具体的には待機児童現象の解決方法を保育の量の拡充に頼りすぎているのが現状施策です。そのために待機児童現象を保育現場で吸収するべく行政は動いていますが、問題の根源は受け皿の不足だけではありません。

 そもそも待機児童が生まれないようにするための施策が決定的に不十分です。幼い子どもをもつ保護者の働き方を抜本的に解決することが何よりも必要であり、そのために企業・事業所の協力や理解を得て短時間労働が実現しない限り、待機児童現象は解消しません。つまり量の拡充ばかりに多額の税金を使うのではなく、幼い子どもを持つ保護者や子育てに協力する企業・事業所に補助金を打つべきです。

 その上で保育サービスは、本当に保育を必要とする家庭に手厚く施されるべきで、いたずらに潜在ニーズを掘り起こすことは、「自立した子育て」の大きな妨げになります。子育てを依存するばかりでなく、悩み迷いながらも自立した意識の中で行うからこそ、子どもも親も主体的な人に育っていくのです。社会の中で自分の力で自分なりの幸せを見つけていける人は自立した人に他なりません。

 日本の未来を担っていく子どもが、喜びと誇りを持って大人たちからバトンを主体的に受け取れるか否か、まさに大きな転機を迎えているのではないでしょうか。私立幼稚園は子どもの立場から社会発信できる最後の砦なのです。

所   感

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟
理事長 田中 雅道

 新年度を迎え、園庭には新入園児の泣き声や元気に走り回る進級児の姿が溢れ活気に満ち溢れていることと思います。

 従来、幼稚園は満3歳以上の子どもたちを集団で教育し、それぞれの子どもの学びを深めることを目的として保育を行ってきました。今年、その機能に加えて誕生から小学校入学までの全ての子どもたちに、家庭における教育をサポートする役割が期待されています。

 幼児の育ちにとって、家庭は安定した存在であり、子どもの心の安定に必要不可欠なものです。それぞれの家庭で営まれる教育に関して、従来、国は踏み込まない方針を持っていました。ですから養育機能を持っていない家庭への支援としての保育所が必要であると考えていました。
幼児を育てる三本の柱である、家庭の教育、地域の教育、幼稚園の教育のそれぞれを独立したものとして考えてきましたが、これからは家庭の教育機能、地域の教育機能をサポートする役割を幼稚園に期待する声が上がってきています。子どもが生まれれば気軽に幼稚園に出入りし、家庭の教育に対しての援助をしてもらえるという安心感を与えてあげる機能が幼稚園に求められているのです。これからの新しい幼稚園像を目指してそれぞれの幼稚園が地域に必要な機関としての役割にチャレンジして頂くことを期待しています。

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