巻頭言

年 頭 所 感

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟 理事長 川名 マミ

穏やかに年があけました。今年も連盟事業にご理解とご協力を賜りますよう何卒よろしくお願いたします。
さて、2019年10月に幼児教育の無償化が実現されました。
保護者負担が大きく軽減されることになり、このことは永年に渡り私たちが訴え続けてきた生涯に渡る最初の公教育としての幼児教育の重要性が国や社会にも認められたことに他ならないと同時に大きな責任を担うことになりました。
このことは各園でしっかりと向き合っていかねばならない事ですが、連盟としても組織を上げて皆さん方の取組の一助となるように運営していく所存です
§各園に課せられた課題§
◆教育の質の向上
これは言葉だけではなく 
教育設備や備品の充実とともに教員の質の担保の視点での処遇改善を積極的に行っていく事や2種免許から1種免許への上進促進
◆安全保健管理の徹底
学校安全計画の策定・危機管理マニュアルの策定はもとより、日ごろの点検や発信に努める
◆労務管理の徹底→よりよい人材の確保
終業規則の整備点検・教職員の働き方に対する取り組み
◆適切なガバナンス
幼稚園の業務が以前より多様化している現状の中、園が持っている情報や機能の管理体制を見直し、強化し現在に適応できる枠組みつくり
◆評価
義務である自己評価はもとより 学校関係者評価も100%実施をめざす
本来の子どもたちの教育はもとより対応すべきことが多く多岐にわたりますが
幼稚園教育要領に明記されている通り 地域の幼児教育センター的な役割を担う以上、10年前とくらべて時代の要請ですでに先進的に様々なことを実践している幼稚園として、地域にこの園があってよかったと地域の皆様、保護者の皆様、なによりも子ども達に実感していただけるよう加盟各園一丸となって努力することを今年の目標としたいと思います。

新採研夏期研修会を終えて

京都府私立幼稚園連盟 理事 田中康雄
理事 宮﨑佳子

 7月月報での報告通り、令和元年度新採研夏季研修会が、あうる京北にて7月22日~24日の3日間行われ、無事に終える事が出来ました。これもひとえに皆様の様々な形によるお力添えをのおかげであり、まずはこの場をお借りしてお礼申し上げます。ありがとうございました。
 さて、今回は文教課下河信二先生による人権研修から始まり、佛教大学高橋司先生を招いてのパネルシアター制作、発表の演習、同志社女子大学笠間浩幸先生による砂場活動(実技演習は6月に実施済み)の振り返りと講義、NPO法人キャンピズ代表理事水流寛二先生によるあそびの講義やキャンプファイヤーといった、すぐ保育に使える具体的な技能や経験を身に着けつつ、講義を通して幼児教育にとって必要な“考え方”にも触れる事が出来る、内容の濃い、且つ新採の先生方にとってもわかりやすい研修プログラムが組まれ、実施されました。受講生である新採の先生方も全体的に真面目に一生懸命取り組んでおり、盛り上がるべきところでは大いに盛り上がり、良い雰囲気の中、研修が進められました。
 各園それぞれ新採の先生の事情は異なると思いますが、多くの一般企業が新入社員に対し、大なり小なり研修期間を経て仕事を任せていく事に対し、幼稚園の先生は社会人として1年目を歩き出した時から既に子どもに対して専門家としての責任を持って接する事を要求されます。幼児教育がその子の人格形成に与える影響の大きさを考慮すると、新卒の先生にもベテランの先生にも等しくその責任があると言えるでしょう。しかし、一方で経験が役に立つ仕事でもあります。新採の先生はその葛藤と戦いながらも、ただただ一生懸命真面目に頑張っていくしかないと私は思います。やがてその姿勢が子どもに、保護者に、同僚の先生に伝わって先生として独り立ちしていく、といったプロセスは誰もが避けては通れない道でもあると思うのですが、それは日々の保育だけでなく新採研にも同じことが言えます。今回の夏季研修会では冒頭に、沢山の先生方が異口同音に一生懸命取り組むことの大切さを伝えて下さいました。その思いが届いたのか、誠実に一生懸命研修に取り組みつつ、和やかな雰囲気が流れていた事を非常に嬉しく思います。
 同時に、今回は運営委員の先生方に受講生の生活面での世話やキャンプファイヤーなどのサポートだけでなく、グループディスカッションに入ったり、パネルシアターの具体的なアドバイスをしてもらう事もお願いしました。人にものを伝え、後輩を導くといった観点や、講義そのものの面白さなど、お世話になった運営委員から自身にとって好意的な反省点が多く挙がったことも、新採研の持つ意味として重要な点であると感じています。
今年度の新採研は残り2回、そして来年度も続いていく新採研を実り多いものにしていけるよう、皆様のご協力とご指導、ご鞭撻の程、よろしくお願い致します。

2019年10月より無償化が予定されています。

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟 理事長 川名 マミ

  令和元年6月総会で、新理事とともに三役・追認理事をお認め頂き、6月20日より新体制がスタートいたしました。地区理事さまと共に2年間の任期をしっかりと務めさせていただく所存です。何卒よろしくお願いいたします。
  2017年幼児教育・保育の無償化の構想が選挙公約に掲げられ、いろんな議論をへて大特急で制度の概要が組み立てられてきました。
 その中には私立幼稚園にはなじみのない文言や書類があり、事務量の増加にとまどいを感じられることもあるかと思いますが保護者の負担軽減という事ですので、私たちも踏ん張りどころだと認識し、従来の私立幼稚園がもっている多様性や柔軟性を十分に発揮して乗り切っていきたいと思っています。
  2019年10月より無償化が予定されています。このことにより今までより、より一層の幼児教育の重要性を社会に対して発信することが重要なこととなってきます。まずは園内での教員間での教育理念と方針の共有、そしてそれらをどのように保護者に伝えるか、どのように「保育の見える化」をしていくかを各園が真剣に考えることが急務となってきます。
 そして、なによりも保護者に「なぜ無償化になったのか」をしっかりと伝えることが私たち幼児教育関係者の責務です。
 ぜひ2019年9月2日全園配布の幼児教育研究機構発刊の「PTA新聞」を熟読いただき
 保護者の皆様に園長自らの発信で伝えていただくことが大変重要だと考えています。
 そのことが私たち幼稚園の立ち位置こそが優位性をもって社会に認められる結果につながると信じています。
  このような課題と責務があるなかですが、私たちが最も大切にすべきことは今までの歩みの中で地域に認められた私立幼稚園としての役割を再認識して、この地域にこの幼稚園があってよかったと思っていただけるよう、教育の質の向上に取り組んでいただきたいと思います。
 今後、連盟としては加盟各園の良さがより一層それぞれの地域で輝けるように幼児教育相談研修・新規採用研修・乳幼児保育研修会・免許状更新講習・ミドルリーダーをはじめとする 各種、研修・研究の充実を図ること、また評価の観点でのECEQ(イーセック)の手法を使った公開保育や養成大学と連携しての免許の上進など、また、無償化に関する情報提供、関係機関との折衝など何よりも私学助成のより一層の充実を念頭に運営していく所存です。
 無償化の実施を控え、幼児教育に携わる各自が誇りをもって、「こどもがまんなか」の思いで「保育の質を」を大切にしながら、私たちの営みを検証することを怠らず共に邁進して行きたいと願います。
 皆様方のより一層のご理解・ご協力のほど何卒よろしくお願いいたします。

幼児教育の質の向上とキャリアアップに向けて

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟 副理事長 熊谷 知子

 私立幼稚園では長年教職員が学び続け研鑽することの営みが「幼児教育の質」につながっていくよう、各種団体または各園がさまざまな研修を企画開催してきました。その中で平成20年に研修ハンドブックが発行され、教諭が自分の研修履歴を蓄積し、必要にして十分な研修を計画的に受講することで資質向上を図ることができるようになりました。
 その後、子ども・子育て支援新制度の施行や幼稚園教育要領、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の改訂など、園を取り巻く環境も大きく変化して、近年の情勢をふまえながら、キャリアパス等にも対応できるように新しい研修ハンドブックに改訂されました。
 また、さらに今年度より研修俯瞰図に基づいた研修を実施するときに研修スタンプシールを作成し、それを添付することで公的に認められた研修として確実に履歴を残していくことになりました。後日参加者名簿を作成し全日本私立幼稚園幼児教育研究機構に報告するという手順が踏まれます。
 研修実績をデータ化し見える化することで行政や都道府県や市区町村へ実績を示しやすく、幼稚園教諭のキャリアアップ・処遇改善に向けて制度設計していただけるように活用してくださるということです。さて、このように改訂されたということは、園独自の園内研修だけでは不十分なこともあるのではと考えられます。
 私幼団体が開催される研修はもちろんのこと公的組織が開催する研修にも参加し専門性を向上させていく努力を重ねていくことが必要とされています。私立幼稚園では教諭が平均で30歳までに7割が離職してしまうというデータがあります。
 一人ひとりの教諭が誇りをもって長く幼児教育の実践ができるように必要な研修を構築して、専門性を向上できる環境を用意しなければなりません。それに加え働きやすい職場環境、キャリアアップのしくみ等をそれぞれの園が考えていく必要があります。
 私たち各園はこれからの人材不足・人材確保、施策による制度、そして保育の質、私立幼稚園に求められることに対して常に向き合っていかなくてはなりません。考えるほど困難さを感じますが、今までも大変な時代を乗り超えられてきた先達が踏ん張ってこられたように、私たちの踏ん張りを試されているようにも思います。
 人としての成長の中でいちばん重要な時期に幼児教育を通じて子ども達の幸せを願うことが私たちの使命であります。各園それぞれが何ができるかを明確にし、一つひとつ課題を解決していきたいと考えています。

第57回 中央園児大会

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟 振興担当副理事長 野々村 誠一

 第57回京都府私立幼稚園中央園児大会が5月10日(木)に京都府立植物園において実施されました。テーマは「こどもがまんなか」、サブテーマ「ここでみんなにあえてよかったね」とし賑々しくスタートしました。
 当日は絶好の晴天となり、植物園の中央芝地には、3,936名の園児と保護者の方が参加され、公務お忙しいなか初めてご出席となります西脇隆俊知事様、ご来賓の皆様をお迎えすることができました。
 知事様ご到着後、駆けよってくる園児たちに手を振ったり、握手をされたりし、コーナー遊びでは子どもたちと親しく交流をされました。式典では、園児から花の絵を受け取っていただき、園児たちに「ぬりえ」と「花の種」をプレゼントしていただきました。両膝をついて園児たちに応えておられる姿に、お人柄を垣間見ることが出来ました。アトラクションにも参加していただき、自然を汚す者を改心させる役柄を演じてくださいました。物語の成り行きやセリフを事前に読み込んでいただいたのではないかと思います。数か所アドリブも交えて、園児たちを楽しませて下さいました。最後は「えがおのおくりもの」でフィナーレを迎えます。知事就任式での「課題解決は現場にある」とご挨拶されました。参加されている方々も、これから子どもたちを取り巻く京都府の未来に、明るい希望を感じていただけたのではないでしょうか。
 前知事、山田啓二様は在任16年にわたって京都府私立幼稚園連盟の諸行事にご出席いただき、延べ回数は100回を超えます。これまで歴代の京都府私立幼稚園の理事長や理事、加盟園各園の皆様のご尽力のもとに築き上げられた京都府と連盟のつながりを絶やさないよう、取り組んでいかなくてはと、当日の西脇知事のお姿に背筋の伸びる思いが致しました。
 これからも京都府の子どもたちの幸せのため、教育環境の充実を目指して、各幼稚園の皆様と共に頑張ってまいります。
 開催に際しまして、ご尽力いただきました京都府文教課の皆様、植物園の皆様、連盟理事、京都市協会理事、運営実行委員、各園の先生方、連盟事務局、園児大会担当のお二人の理事に、心からの感謝と御礼を申し上げます。

新 年 度 を 迎 え て

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟 理事長 川名 マミ

 4月新年度が始まり各園では子どもたちの可愛らしい声が響いていることと存じます。
日本に四季があって良かったと、同じく幼稚園に四季があって良かったと毎年々々感じます。
また、皆様方におかれましては日頃より連盟の事業にご協力ご理解いただき誠にありがとうございます。心より感謝いたします。
今年度も各地区理事と一緒に丁寧に事業を遂行していく所存です。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、幼稚園にかかわる現状を見てみますと、国の新たな施策が次から次へと打ち出されています。幼児教育・保育の無償化や2歳児の接続保育等それぞれの園が今後の自園の進むべき方向性を探りながら適切に対応していかねばならない重要な事柄です。それに加えて従来より懸案の新制度に移行する、しないの選択肢も交えながら考えることも必要となってきます。保育園の11時間の無償化が現実化する中で幼稚園としてどのような選択をするのかを考えていかねばなりません。
 また、全国的に人材不足といわれている中、幼稚園教諭も同じ状況です。今後、各園はもとより連盟としてもこのことを念頭に置いて幼稚園で働くことの魅力をアピールしていくとともに処遇改善費の折衝を進めていくつもりです。各園におかれましても新任教諭が働いてみたいと思える職場づくりを今まで以上に意識していく事が大切になってくると考えられます。また、全日私幼では処遇改善費を国に求めていく中で今まで積み上げてきた研修ハンドブックを改良し、今年度から研修履歴が公式に通用する形を整えています。そして教員各自の研修履歴がキャリアアップの布石となるよう進めていきたいとの意向です。このことから処遇改善と研修履歴はセットとして考えられますので、各園におかれましても先生方一人一人の基礎資格として研修履歴を残すように留意していただきたいと思います。
 このような混沌とした中で私たちが最も大切にすべきことは今までの歩みの中で地域に認められた私立幼稚園としての役割を再認識して、幼児教育の質の向上に努めることに尽きるのではないかと考えます。連盟としては加盟各園の良さがより一層それぞれの地域で輝けるように研修・研究のより一層の充実を図ることを念頭に運営してゆく所存です。
また、行政の窓口ともしっかりと対話し情報の収集に務め、またさまざまな制度設計について協議していきたいと考えます。
 国の施策や方針は変わりますが、今こそチャンスとし、幼児教育に携わる各自が誇りをもって、今一度背筋を伸ばして私たちの宝・日本の宝である子どもたちを共に大切に育みましょう。そして将来の日本のために京私幼の皆様が更に一枚岩となり、「こどもがまんなか」の思いで「保育の質を」を大切にしながら、私たちの営みを検証することを怠らず共に邁進して行きたいと願います。

年  頭  所  感

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟 理事長 川名 マミ

 2018年新しい年が始まりました。
 さて、早速ではありますが、先日各園にFAXにてお知らせいたしました、
「新しい政策パッケージに対する意見書」~幼児教育・保育の無償化について~の意見書をお読みいただけましたでしょうか、是非ご一読いただきたいとお願い申し上げます。
幼稚園の意見として皆様方が感じていらっしゃることをまとめて、意見書として国会議員・府会議員・京都府文教課・京都市はぐくみ局・京都市教育委員会に届けました。国の制度である以上都道府県単位で調整できないことが多いとは思いますが。
 子どもたちに豊かな環境を願う幼稚園として、この意見を述べないわけにはいかないと考えます。なんとか京都モデルの枠組みをつくり、人生のスタートである乳幼児期を豊かな環境で過ごすことのできるようにしていきたいと思っています。また、無償化の議論の中には子供はどう育つべきなのかというところが抜けていると言わざるをえませんが、それでも現実化した時に幼稚園としてどうあるべきかという事を考えても行かねばなりません。
やはり幼稚園は幼稚園らしくありたい、そして各園それぞれが今以上に幼児教育の質の向上を目指していく事こそが、ある意味、差別化されることになるのではないかと思います。
2018年は幼稚園にとって大きな岐路に立つことになるでしょう。各園それぞれに進むべき道を考える時が来るのは間違いないでしょうが、連盟としては素早く情報提供する事と担当行政との対話と調整をしていく事、また加盟各園が一枚岩として強い組織づくりを心がけたいと考えています。
先日、アインシュタインが東京に滞在した時の2枚のメモが2億円で落札されたというニュースがありました。1枚のメモはアインシュタインの幸福に関する考え方が書かれていたそうで、もう一枚のメモは「意志あるところに道は開ける」というものだったということです。
私たち幼稚園は、142年前幼児教育が発祥した、ここ京都で「明日の日本を担う幼児教育」と自負し明日の日本を担う子どもたちを育てるという強い思いと「意志あるところに道は開けると」いうことを胸に151ケ園が手を携えて進んでいきたいと思います。
みなさま今年もどうぞよろしくお願いいたします。

平成29年度 京都府私立幼稚園連盟 管外研修

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟
副理事長熊谷 知子

 平成29年度の管外研修は、福岡県行橋市のきらきら星幼稚園への見学と第33回全日本私立幼稚園連合
会 設置者・園長全国研修大会の参加をしました。10月15日(日)に18名で出発し、1日目は九州北部
門司港周辺を視察いたしました。
  2日目、14日(月)きらきら星幼稚園への園見学は雨の中でしたが、園児たちが屋根のある外園庭で遊ぶ
姿や保育室で取り組んでいる様子、子どもの活動を引き出す環境のありかた、2歳児クラス、読み聞かせの会
の子育て支援活動の様子、保護者の方の活動など限られた時間の中たくさんの活動を見ることができました。
  きらきら星幼稚園では子どもが様々な体験をする中で、自分を誇らしく思えるような「実感を持つ」ことを
大切にし、幼児の発達を促す3つのキーワード「基底となる生活」「総合活動」「課題に向かう活動」をもとに
日々教師が目の前や周りにいる子ども達をしっかり見つめながら一人ひとりに合った手づくりのカリキュラム
づくりをされています。また、子ども一人ひとりがのびのびと育つ環境とは何かを考えながら園舎や園庭を毎
年進化させ園庭の遊具も子どもの実態に合わせた木製の手づくりのものでした。 
  見学後、黒田秀樹園長先生より何とか自由にやっていきたいと力強いお言葉からはじまり、「ここに集い、
こういう風に育てたいと保護者の方と一緒に思える関係づくりに取り組んでいる。保護者の方と共にやってい
くということが大切で、保育の様子や子どもたちの育つとき、幼稚園が大切に考えていることを写真や文章で
工夫しながら発信し情報を共有している。また、園内研修の重要性、教育課程に沿った丁寧な振り返りと教職
員のコミュニケーションが大切である」ことを話していただきました。最後に「さらにやってみたいこととし
て土地を広げ子ども達がもっとのびのびと過ごせるようにしたい。地域の中で運動会のマラソン種目を走り回
れるような、地域で育つ子どもを大切にしていきたい」と熱く語られました。
 その後午後より第33回全日本私立幼稚園連合会 設置者・園長全国研修大会に大分に向かいました。

就任にあたり

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟
理事長 川名 マミ

今回、京都府私立幼稚園連盟理事長を拝命するにあたり、歴代の理事長先生が偉大な先生方ばかりなのに、私でいいのだろうかと、その重責に身の引き締まる思いがいたします。
私が連盟の仕事に関わって約20 年が経ち、その間、諸先輩の先生方にお世話になりました。「頑張りや」と声をかけてくださったり、いろいろなことを教えていただいたり、若輩の私は本当に諸先生方を手本にさせていただいていました。そのことは連盟でのお仕事にも役立ちましたし、自園の運営にも役立つことがたくさんありました。そのように組織の中で育てていただいたことを感謝し、その恩返しのつもりで今回のお役を引き受けさせていただきました。
いろいろな会での山田知事様のご挨拶で、「京私幼連盟の各園がお互いに切磋琢磨してそれぞれが成長しているがそれは一園だけの成長ではなく、連盟という器自体が大きく成長するからこそ、各園の成長があるのだと思う。」といった趣旨の表現をしてくださっています。
京私幼連盟の先生方の慈しみ合い、支えあう姿は心の通う家族のようであります。こうした連盟の在り方こそが何よりも子どもたちのお手本になるものであり、教育の原点がそこにあると思います。私自身は非力ですが、皆様方のお力添えを頂きながら連盟のつながりをより強いものにするべく一生懸命務めさせていただく所存ですのでどうぞよろしくお願いいたします。また、今回の使命の一つに若い世代を育てるといったこともあって、若手お二人の副理事長の起用もあります事あわせてよろしくお願いいたします。
さて、今年度の運営の重点項目は
~子ども子育て支援新制度とどう向き合うか、連盟として、各園として~
平成26 年に始まった5 年間の移行期間の4 年目を迎えます。このことは今後、各園が地域の実情をしっかり見据えて考えてどのように対応していくか重要な年度になると考えられます。連盟としてはこども園に移行する園にとって移行しやすい環境を整えることと、私学助成の幼稚園として今後も運営してゆく園にとっても、運営しやすい環境づくり、この両側面の対応を行政との対話で進めていかねばならないと考えています。
~私立幼稚園としての子育ての支援~
今年度から2 歳児の親子登園事業が始まりました、このことはまさに、さまざまな観点からの子育て支援を展開し、地域に開かれた子育てセンター的な役割を担っていく時がやってきたといえます。幼児教育を根幹に多機能な役割をもち、地域の保護者や子どもたちが、安心して利用できる地域における安心・安全のセンターとしての位置づけをするとともに「家庭教育の支援」の推進と充実のための乳児の発達の道筋や親子関係をまなぶ研修体制の整備が必要であると考えます。
~幼稚園教諭の人材確保~
近年の状況で、今までのようには幼稚園教諭の確保ができない現状があるのではないでしょうか、このことは園児の減少に匹敵する大きな問題だと考えられます。各園の努力はもちろんの事ですが、幼稚園教諭の魅力ややりがいの情報発信、また、わくわくリワーク対象の方など潜在する有資格者の掘り起こしのさらなる促進も必要になってくる
と思います。が、そのことだけではなく保育園にはあって幼稚園にはない処遇改善の加算も視野に入れ、今務めている幼稚園教諭が長くその園に務められる大枠の環境づくりをしていく事も行政との対話で必要なことになってきます。
以上のような柱を念頭に今後の事業を展開していき、加盟各園がそれぞれの個性で輝きながらよりよい運営ができるよう努力する所存です。何卒よろしくお願いいたします。

笑顔の贈りもの

公益社団法人 京都府私立幼稚園連盟
副理事長 中浦 正音

 平成29年度もスタートして2ヶ月が経とうとしています。各幼稚園では子ども達も新しい環境に慣れ、遊びに興じる大きな声が響き、たくさんの笑顔の花が咲いていることでしょう。京都府私立幼稚園連盟においても様々な事業がスタートし、研修・交流・振興の集いが子ども達の幸せを願う熱き想いのもと繰り広げられています。今年度は理事役員の改選期であり、6月には新執行部が新鮮な風を吹き込んでくれると思います。そしてその為にも現理事団も与えられた責任をしっかりと全うしてしっかり引き継ぐべく「99里を以って道半ばとす」の気持ちでラスト1ヶ月、任にあたりたいと思います。特に今年の7月には近畿地区教職員研修大会が6年ぶりに京都で開催されます。新旧理事団のみならず加盟園の総力を挙げて有意義な大会になればと願います。会員の皆様の御協力を宜しくお願い致します。
 私立幼稚園を取り巻く環境は順風満帆とは言えないかもしれません。新制度が10年後どの様に評価されているのか、まだまだ不透明であります。こんな時こそ原点に戻ってみる事・色んな意見を聞く事・想いを共有する仲間と力を合わせる事が必要であると思います。大会の当番が回ってきたと負担感を持つより、運営を通して京私幼が集い・語らい・一致団結するチャンスを頂いたと捉える方が良いのではないでしょうか。近畿地区に所属する園にも認定こども園移行園が多くあり、こういった機会に色んな情報を頂き、それを基に京私幼の仲間と談論風発をしたいと思います。
 さて、振興担当副理事長として今年度既に実施された3地域の園児大会の御報告並びに御礼を申し上げたいと思います。京都市内にある幼稚園の5歳児親子が植物園に集った5月11日中央園児大会を皮切りに、5月17日には舞鶴市民体育館にて両丹地区園児大会が、6月24日には亀岡市民体育館において口丹地区園児大会が開催されました。3大会共に天候に恵まれ、例年にも増して多くの参加を得、素敵な大会となりました。
 中央園児大会では、京都府が展開されている人権啓発ひろめ隊の御協力を得て、例年とは一味違った運営を試みました。人権啓発イメージソング子ども版「笑顔のおくりもの」の作詞家鮎川めぐみさん、歌っておられるフラリーパットさんにお越し頂き、子ども達と共に素敵な歌とおどりの時間を共有しました。何にも増して輝いた時間であったと思います。
 両丹地区では園児たちが忍者になって協力して成長していくストーリーが展開され、口丹地区では他の園の子ども達と輪になって行うダンスや玉入れ、名札の交換が印象的でした。何よりも山田啓二知事様が全ての園児大会に御臨席下さり、保護者の方々にエールを送り、かつ子ども達と親しく時間を共にして下さった事に感謝したいと思います。時にはヒーローとなり、時には輪に入って一緒に競技を楽しんで下さいました。いつも山田知事様は子ども達こそが未来の宝物であり、子育てをされるご家庭こそが社会の宝物であると言って下さっていますが、正しくそのことをこの園児大会の中で身をもってお示し下さったと思います。参加された多くの保護者の方々が強くその暖かいお気持ちを感じられたのではないでしょうか。
 園児大会では5歳児の子ども達が、自分の園のお友達だけではなく多くの見知らぬ友達と出会う貴重な経験をしたものと思います。私見ですが幼児期と思春期という人生の大切な2つの自立期の内、5歳児の子ども達にとって大切な事は、どれだけイメージの世界を広げられるかではないかと思っています(それに対して思春期の課題は自分の内面をどれだけ深く見つめられるかではないでしょうか。)5歳児の子ども達にとってこの空に繋がる世界に多くの友達が同じく生きているという感覚はとても大切なのだと思うのです。日本の社会では孤立と無関心が問題となり、世界に目を向ければナショナリズムと排他的な風潮が覆っている今日、その思いはより大きくなります。京都の私立幼稚園の子ども達が、世界が一つの家族のように笑顔の贈り物が満ち溢れる、そんな未来の大きな架け橋とならん事を願い、今後も園児大会が各地区において実施されます事を心より願っています。