輝く瞬間

【輝く瞬間】 2012年11月

寺之内幼稚園 末吉淳周

  秋は保育時間を一時間延ばして様々な体験をしています。今年も、年長児がある山へハイキングに出かけました。その山は、春に一度楽なコースで登っているのですが、秋は少々ハードなコースから登っていきます。でもどの山に行くかは内緒で、「明日は、不思議な山に登るからね」しかも「地下鉄に乗って行くんだよ」と聞いた子ども達の謎は深まるばかり。当日、ワクワクドキドキしながら二時間程かけて登り、やっとの思いで到着。はじめは「やっと着いたなぁ。」「いい景色やね。」と言葉を交わす子ども達。しばらくして、「ん?ここって1回来たことある?」「ほんまや見たことあるかも!」そのうち誰かが「あ!先生、ここって○○山と違う?」と大発見。その後一瞬にして感動の渦となるのです。大発見の瞬間までは、先生は多くを語らず見守っています。毎年のことながら、子ども達が自らの力で輝くこの瞬間が、たまらなく大好きな先生達です。

 

【輝く瞬間】 2012年10月

マクリン幼稚園 松本行司

 ほとんどの園では運動会が終わったころでしょう。本園の年長の二クラスは赤白二チームに分かれてクラス対抗の綱引き、障害走、リレーを行います。毎日それぞれの練習が終わるとクラス毎でリレーなら「バトンの練習をしようよ。」「順番を入れ替えてみようや」と色々な意見が出ます。勝ちにこだわるようになった中、障害走で負けた時にA君が『お前のせいで負けたんやぞ。』と思わずK君に言ってしまいました。涙をこらえるK君。そのときSちゃんがA君に『そんなこと言わんと、明日勝てるように作戦考えようよ!』と言い出し連日円陣を組んで作戦会議が始まるのでした。

 みんなでできることを話し合い支えあって練習したこと、また当日はみんなを応援し、負けても相手をたたえ合う中に、勝ち負けにこだわっていたこどもたちがクラスの団結力を強め大きく成長したことをみることができました。この経験は卒園までの色々な取り組みの中でさらに生かされていくものと期待します。こどもたちよもっと輝け!

 

【輝く瞬間】 2012年9月

ふじのき幼稚園 稲葉由貴子

 ブルーシートを敷く為に広げると、子どもたちが「わーっ海だー」と嬉しそうに言い、シートを広げる際に聞こえる「ザッーザッー」の音が波の音に似ていると言う。子どもの想像力の豊かに感心します。

 又、飛行機と飛行機雲を見て、「なんで、飛行機の後ろに雲がくっついてるんだろう?」

「飛行機が雲を置いていってるんじゃない?」と話していました。確かに飛行機雲は、飛行機の航跡に生成される細長い線状の雲で、ジェット機などのエンジンから出る排気ガス中の水分の雲であるから、子どもたちの観察力には感心します。

 ある時は、異年齢の子どもたちが一緒にブロック遊びをしていて、三個のブロックを三角に合わせてケーキを作り、そのケーキの上に色々の小さなブロックを乗せてショートケーキに見立てていました。しかも、そのショートケーキを6個合わせてケーキのホールにしていました。私はホールのケーキを見て、子どもの発想力のすばらしさに感心します。

 そして、その様子から「誕生会ごっこ」をしているとわかり、「誰のお誕生会?」と尋ねると恥ずかしそうに年中組の女の子を指でさして、私に年長組のお母さん役の子が「園長先生もよる?」と聞いてくれました。誘いの言葉に心の豊かさが感じられ、その優しさがとっても嬉しかったです。

 

【輝く瞬間】 2012年7月

光華幼稚園 森 圭子

新緑の頃、園庭のミカンの木にアゲハ蝶が卵を産みにやってきます。
1ミリ位の真珠のような卵。年長児は、その卵を葉ごと取って飼育箱で育てます。
ある日、年少児が卵を指で摘まんだとたん蕫プチュン﨟と潰れてしまいました。
「あ~!何するの」「それはアゲハ蝶の卵なんやで!命の粒なんやで!」と年長児が怖い顔で叱りました。
「ごめん」と大泣きしているA児に「卵だと知らなかったのね?これはアゲハ蝶になるのだよ!大切に育てようね」と、そっと先生が寄り添いました。
その後、A児と一緒に葉っぱと卵を飼育箱に入れました。
翌日からA児は、飼育箱を覗いては「黒い虫や!」「青虫になった!葉っぱ食べてる、うんちいっぱいしてる!」とお掃除もお手伝い。
ある日、飼育箱の蓋にぶら下がり眠り続けたさなぎは、ついにアゲハ蝶に!「やったー」とA児は歓声を上げ、本当に嬉しそうでした。
「蝶々さ~ん元気でね!」とクラスみんなで手を振り、アゲハ蝶は、子ども達と別れを惜しんでいるかのように旋回しながら大空へ飛び立ちました。
命の輝きを感じた瞬間でした。

 
編集委員会より

 コンチキチン…、の囃子が聞こえてくると本格的な夏がそこまできていることを実感させてくれます。祇園祭、五山の送り火、保津川下り、川床、そして地蔵盆…など。京都の夏は子どもから大人まで、楽しめることがいっぱいですね。今年の夏は節電もしっかりしながら、暑くて熱い京都の夏をたっぷり満喫したいものです。

【輝く瞬間】 2012年6月

寺西幼稚園 園長 寺西 正毅

「あら尊 青葉 若葉に 日の光」
 山々は青葉若葉で活気に溢れ、澄み切った青空には、こいのぼりが元気に泳ぎ、園庭では溢れんばかりの笑顔と、張り裂けんばかりの鳴き声が響き渡る、眩しくて初々しい年度初め。

毎年この時期、耳にする可愛い言葉。
「・じ・ぶ・んで…」
 ピカピカの年少さん、一つお兄さんお姉さんになった進級組さん(年中さん、年長さん)。学年が上がったから……、そんな自覚が運んでくる一声なのでしょうか?
「そうだね。それではお任せしましょうか……。でも、やっぱり気になる!」
 そこで、お目々をチカチカ光らせて。
「エッ! ヤッパリ! これが自分で……と言ってやってくれたこと!?」
「ウーン、どうしよう、手を貸してもう一度やろうと言おうか? イヤイヤ、頑張ったんだから、褒めなくては?」
 毎年毎年、迷っています。自立しよう、自分でしなくてはと肩に力をいっぱい入れて頑張る子ども達に、なんと声かけしようかと、今年も迷っています。何もかも、ピカピカブカブカ、泣いてはならぬと頑張る子ども達。
 一年でもっとも可愛い時期ではなかろうかと、目を細め、言葉を探している私です。

 

【輝く瞬間】 2012年5月

其枝幼稚園 清水 潔

 私は毎朝門の前に立ち、登園してくる親子を迎えます。子どもたちには「○○ちゃん、おはよう!」と声をかけハイタッチをします。

 ところがS君はシャイなのか私の手をかわして行きます。2学期のある日、保育室を覗くとS君がニコニコとやってきて私の手の平に5回もタッチしてくれました。

 トイレの改修で明るいピンクのタイルをはってもらいました。所々にディズニーのキャラクターも入れて。ある日、トイレの中から子どもの話し声がします。ふしぎなので近づくと一人の女の子がキャラクターとお話をしていました。教師は胸が熱くなったそうです。

 これもトイレのお話ですが、換気扇の音がおかしい! と目の不自由なお子さんが言うのです。調べてもらったら、やはり故障していてすぐ直してもらいました。他の子どもや教師が気付かぬ異常音をキャッチしていました。

 私たちはこの子どもたちから教えられることが多くあるような気がいたします。

【輝く瞬間】 2012年4月

岩倉幼稚園 田中 幸子

 園庭の桜も花の色を少しずつ見せてくれるようになりました。新入学の季節です。

 4月に入って卒園児達が、希望の高校に入学出来ました。きりっとしたワイシャツにジャケット姿で、訪ねてくれています。少しはにかみながら、恥ずかしそうに、そして、夢と決意を笑顔いっぱいで語ってくれていました。

 今日は、中学生が「明日から授業が始まる」と言って希望の中学に入り、夢と希望を笑顔いっぱいで話してくれ、幼稚園の頃の面影を残したままで背丈もすっきり伸び、新しい制服が似合う少年、幼稚園の頃の思い出話を聞かせてくれました。

 この子達の将来が幸せで健康的な心を持って、世界に羽ばたいてくれることを願いつつ「元気で頑張ってね」と感動の中、背中を押して「さよなら」をしました。園児達は今日が始業式です。「おはようございます」、元気な声で登園し、すぐお外に……。春休みの楽しかったことを話しながら飛び出して行きます。この一年が子ども達にとって安心・安全はもとより健康で心豊かに幸せな日々を過ごせ、幼い頃の思い出を笑顔で語ることが出来る毎日を日々の保育の取り組みに積み重ねていくことが出来れば幸いと思いますが……。

【輝く瞬間】 2012年3月

北野幼稚園 園長 池田 智子

 四月、満開の桜に囲まれスタートした一年もいよいよ集大成を迎えようとしています。京都の街を彩り、華々しく花を咲かせ、萌え出る若葉のエネルギーの勢いは、まさに幼子の成長の様です。

 本園では一年を通じ月に一度、自園所有の鞍馬北自然観察林に出掛け、労作活動、自然体験を行っています。電気もガスも水道もない大自然。木々の薫り、優しい日だまり、そよぐ風、そして静かな川のせせらぎは心も身体も解放してくれます。緑いっぱいの自然の中、一人一人が主役となり誰にも教えられる事なく遊びを展開していきます。自然との共生共存です。真剣に遊び込むその姿は逞しく、一瞬、一瞬、輝いた瞳をしています。

 幼児期の空洞化は将来の子ども達に多大な影響を与えます。子ども達が本来、持っている力や輝きを大人が阻害する事なく、感性、可能性を豊かに育む重要な責務を担っています。人として生を受けた以上、立派に大輪の花を咲かせて欲しい。生きがいのある人生、喜びのある幸せな人生を歩んで欲しいと願います。

 卒園を迎えた今、子ども達の生涯の幸せを祈り、笑顔で送り出したいと思います。

【輝く瞬間】 2012年2月

さつき幼稚園 片山 正宏

 「おはようございます」、「おはよう」と口々に挨拶しながらバスから降りて来る子、挨拶代わりに手にタッチして来る子、「園長先生ずるい。手袋して」と文句をいう子、手を振るだけで教室へ走る子。母親に送ってもらい、名残惜しそうにバイバイする子。登園時、子どもたちは様々な姿を見せてくれます。

 どの子も、今日はどんな楽しいことがあるのかと期待に胸膨らませ、目を輝かせ、元気いっぱいです。迎えている私まで元気をもらい、何かすっきりした気分になってきます。

 子どもたちが、このエネルギーと目の輝きを、いつまでも持ち続けてほしいものです。

 猛烈な受験戦争があった時代、元知事の蜷川さんは「十五の春は泣かさない」といっていましたが、私たちも、子どもたちが「世に出る春は泣かさない」社会を実現するため、日々何をすべきかを考え努力しなければならないと思っています。

【輝く瞬間】 2012年1月

聖マリア幼稚園 菅原さと子

 十二月。子ども達・保護者・卒園生・先生にとり、とても大切な月。十六日夕五時。礼拝堂にてイエス・キリストの生誕劇を行った。年長児はマリア・ヨセフ・羊飼い・天使などのメインキャスト、年中児は聖歌隊、年少児は羊と小天使、そして保護者有志は四部合唱の聖歌隊として二階ギャラリーから素晴らしい歌声で盛り上げて下さる。年長児は度重なる練習を経て、緊張しながらも説明と歌の役をしっかり果たす。その様をすぐ近くで見る年中と年少。来年、再来年は自分たちがそれを担うとあり、憧れをもって見つめる。星と博士の登場でクライマックスを迎え、お客様も含めた全員が一体となりその誰もの目が潤み輝く。そして最後のマリアとヨセフの祈りに心を合わせ、日本内外の様々な事態を思い浮かべながらの祈りに愛の光が放たれていたのを感じたのは私だけではない。生誕という命の輝きを全ての人が受けとめ、満三歳児がすやすやと眠りに陥るほど心地よい静かな聖夜となる。